2016 Fiscal Year Annual Research Report
協同効果を利用する精密制御反応場:多官能性ポルフィリン金属錯体
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
16H01030
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
依馬 正 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (20263626)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ポルフィリン / 触媒 / 二酸化炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、エポキシドと二酸化炭素から環状炭酸エステルを合成する反応やエポキシドの速度論的光学分割反応に適した触媒を開発する。まず、これまで開発してきた二官能性触媒のさらなる触媒活性の向上を目指して、メソ位ベンゼン環のパラ位の置換基効果を調査した。パラ位に電子求引性基(ブロモ基、シアノ基)を有する二官能性ポルフィリン亜鉛錯体を合成した。触媒活性は無置換体 < ブロモ体 < シアノ体となり、電子求引性基の導入により触媒活性が向上した。特に、シアノ体の触媒活性が最も高く、TOF = 42,000 h-1を示した。また、数ppmの触媒を用いて長時間反応に附すと、TON = 260,000を示した。一方、ビナフチル基で架橋したキラル亜鉛ポルフィリンを数段階で合成した。NMR、UV/vis、CDスペクトルから、架橋によってポルフィリン環が歪み、メチレン鎖長が短くなるにつれて歪みが大きくなっていることが示唆された。X線結晶構造解析の結果、平面からの歪みを表すmean plane deviationは0.119オングストロームであり、架橋によりポルフィリン環が確かに歪んでいることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
置換基効果については論文発表した。ビナフチル基で架橋したポルフィリンはX線結晶構造解析に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
ビナフチル基で架橋したポルフィリン金属錯体の合成がほぼ完成したので、それを用いてエポキシドの速度論的光学分割を実施する。
|
Research Products
(2 results)