2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Nucleophilic Activation Strategies for Highly Chemoselective Catalysis
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
16H01032
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢崎 亮 九州大学, 薬学研究院, 助教 (70635812)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 化学選択性 / 酸化的クロスカップリング / エノラート / 四置換炭素 / 鉄 / アズラクトン / アミノ酸 / ホモカップリング |
Outline of Annual Research Achievements |
触媒的酸化的クロスカップリング反応は、反応基質のハロゲン化等の事前官能基化を必要としない理想的な合成プロセスである。本年度は、これまで触媒的な反応が困難であった酸化的クロスエノラートカップリング反応の開発に着手した。 酸化的クロスエノラートカップリングでは、目的のクロスカップリング体に加えて、望みでないホモカップリング体の生成が副生してしまう。そのため一般に、エノラートの事前活性化が必須であり、また化学量論量以上の金属酸化剤が用いられていた。これらの問題点を解決すべく我々は、新たなアプローチとしてホモカップリング体の炭素ー炭素結合活性化によるクロスカップリング体への収束反応に着目した。種々検討を行った結果、アズラクトンを用いることで鉄触媒、配位子存在下、望みのクロスカップリング体を得ることに成功した。またこれまでエノラートの酸化的クロスカップリングでは達成されていない連続四置換炭素の構築にも成功した。さらに本反応では等量の反応基質を用いた場合においても高収率で目的物を得ることに成功している。またエノラート以外にもα位の直接的なアリール化も進行することを見出した。 反応機構解析として、アズラクトンのホモカップリング体を反応基質として用いて検討を行った場合において、目的のクロスカップリング体を良好な収率で得られた。本結果は、本反応ではまずホモカップリング体が生成した後に、クロスカップリング体が生成していることを示唆している。また本反応では配位子の効果が顕著であり、鉄触媒と配位子により生成する触媒活性がクロスカップリング体への収束反応に重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年では触媒的な酸化的クロスエノラートカップリング反応を開発することに成功し、予備的な反応機構解析も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した反応の立体選択的な反応開発を行う。さらに汎用性の高い酸化的な連続四置換炭素構築法の開発に着手する。
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Research Products
(19 results)