2017 Fiscal Year Annual Research Report
量子ポイントコンタクト構造における微小磁化と核スピン相関の理論的解明
Publicly Offered Research
Project Area | Science of hybrid quantum systems |
Project/Area Number |
16H01047
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
青野 友祐 茨城大学, 工学部, 准教授 (20322662)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 量子ポイントコンタクト / 核スピン |
Outline of Annual Research Achievements |
電子スピンは磁場を用いてその向きを容易に偏極させることができるが、核スピンを偏極させることは容易ではないことが知られている。核スピン分極を引き起こす方法の一つとして、電子と核スピンの間のスピンフリップフロップを用いて、核スピン分極を実現する、動的核スピン分極(DNP)と呼ばれる方法がある。近年になり、核磁気共鳴(NMR)信号を電気抵抗変化として検出する抵抗検出型NMR法と呼ばれる手法が開発され、半導体ナノ構造におけるDNP 生成の検出が可能になってきている。 本研究では、半導体量子ポイントコンタクト(QPC)における核スピン分極について議論を行ってきた。特に、QPCを用いたDNP生成と抵抗検出型NMRによるDNP検出について理論的に考察した。面内磁場中QPCがスピン偏極するようにゲート電圧を調整して、コンダクタンスGが量子化コンダクタンスe2/hのときに、有限バイアス電圧を印加する。このとき、ソース電極側とドレイン電極側でDNPの符号が反転する、双極子型のDNPが生成されることがわかった。この双極子型のDNPは、抵抗検出型NMR法によって検出したときに、均一な核スピン分極とは定性的に異なる応答特性をもつことがわかった。 さらに、QPC上でのファブリー・ペロー共鳴状態に関する研究を行った。QPCの形状を工夫することで、共鳴箱として機能させ、擬閉じ込め状態が形成されることが実験的に示されおり、さらに電子間スピン相関が強いことも示唆されている。このようなQPC構造におけるコンダクタンスとゲート電圧依存性や電流電圧特性の解析を行い、ファブリー・ペロー振動の電気伝導への影響について明らかにした。
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Research Progress Status |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)