2017 Fiscal Year Annual Research Report
Studying the progenitor of the type-Ia supernova with multi-band early phase photometry
Publicly Offered Research
Project Area | Why does the Universe accelerate? - Exhaustive study and challenge for the future - |
Project/Area Number |
16H01087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土居 守 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (00242090)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Ia型超新星 / 早期測光 / 広視野観測 / 超新星の親星 |
Outline of Annual Research Achievements |
加速宇宙膨張の発見に重要な役割を果たしたIa型超新星は、標準光源として明るさがほぼ一定であるが、どのような親星が爆発しているかについては白色矮星2個の連星系なのか白色矮星と主系列性あるいは赤色巨星の連星系なのか議論が分かれていた。そこで、本研究では、Ia型超新星の初期の光度曲線を多バンドで調べることによって、この議論に新たな角度から知見を与えることを計画した。実際にすばる望遠鏡Hyper Suprime-CamでH28年4月に観測を1.5夜実施し、他のデータとあわせることで1個のIa型超新星を早期発見し、2バンドで観測することに成功した。海外の研究協力者と連携し、SALT 9.2m望遠鏡やGEMINI-N 8m望遠鏡などにより最大光度付近での分光観測にも成功した。 早期の増光が観測され、赤色巨星との連星系にある白色矮星が爆発したというモデルと合うことを期待したが、色がより赤く、最大光度付近でのスペクトルにもチタンの吸収が強くみられ、詳細を検討した結果、白色矮星の外層に降着したヘリウムがまず爆轟を起こし、そのショックで白色矮星中心付近の炭素が爆燃を始めたというモデルが観測結果を説明することがわかった。 結果として、早期の増光の原因は、伴星との相互作用だけではなく、ヘリウム爆轟もあることを示したため、本研究以前に言われていたように、早期増光があれば伴星が赤色巨星である、などと制限することは難しいことがわかった。一方で、色の早期観測を行うことにより区別がつくことも示し、Ia型超新星の爆発メカニズムについての多様性を示すことに成功した。これらの結果をネーチャー誌に発表、記者発表も行った。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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