2017 Fiscal Year Annual Research Report
地球自由振動の解析による核‐マントル境界領域と内核の構造に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Interaction and Coevolution of the Core and Mantle: Toward Integrated Deep Earth Science |
Project/Area Number |
16H01121
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
須田 直樹 広島大学, 理学研究科, 教授 (10222069)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地球自由振動 / 分裂関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
広帯域地震計の大地震の波形記録の解析から,地球のコア‐マントル境界周辺の構造に感度を持つ自由振動モードの分裂関数を求めた。分裂関数とは自由振動のスペクトルから求められる観測量で,モードが感度を持つ深さの内部構造の水平不均質を表す。今回は1S8, 1S9, 1S10の3つのモードについて,弾性および非弾性構造の分裂関数を求めた。データはIRISで公開されている広帯域地震観測点から静穏な64観測点を選び,それらで観測された1995年から2014年の58個の大地震の上下動記録を用いた。波形記録は存否スペクトル法で解析し,モードのスペクトルの見かけの複素周波数を求めた。今回解析したモードでは,多くの観測でスペクトルは見かけ上2つに分裂していた。次に,見かけの複素周波数をデータとして分裂関数の係数を求める非線形逐次インバージョンを行った。この方法では見かけの複素周波数の観測値と理論値を比較して,分裂関数の係数を逐次修正する。見かけの複素周波数の理論値の計算には,ターゲットとするモードの周波数近傍のモードすべてのモード間干渉を取り入れた。ただし,逐次修正したのはターゲットのモードの自己干渉に関する係数のみであり,その他のモード間干渉については既存の3次元地球モデルから得られる値に固定した。インバージョンの結果,弾性構造については球面調和関数の10次まで,非弾性構造については2次までの分裂関数が得られた。解析したモードは下部マントル下部の構造を反映するが,モードの次数が8から10へ増えるにしたがって2次の寄与が減少し,逆に高次の寄与が増大するという結果が得られた。非弾性構造と弾性構造の分裂関数は単純な一対一対応はしていないが,弾性的構造の低周波異常の多くの領域が非弾性的構造の低減衰異常の領域に含まれていた。今後はより多くのモードを解析して,以上の特徴についてさらに検討する必要がある。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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