2016 Fiscal Year Annual Research Report
多環式含窒素コア骨格と大環状構造を特徴とする海洋性中分子の合成研究
Publicly Offered Research
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
16H01141
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横島 聡 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (10376593)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 天然有機化合物 / アルカロイド / 大員環 / 含窒素化合物 / 中分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
韓国近海のホヤより単離、構造決定されたハリクロニンA(分子量:524)の合成研究を行った。本化合物は中心骨格である3ーアザビシクロ[3.3.1]ノナンに対し、飽和17員環および不飽和15員環が縮環した構造を有しており、生物活性として細胞毒性および抗菌活性を示すことが報告されている。 まずBirch還元および閉環メタセシス反応を鍵工程として大員環を有する化合物の合成を行った。第1級アルコール部位をジアゾエステルへと変換した後、銅触媒を用いた分子内シクロプロパン化反応を行うことで二つのエノールエーテル部位を区別した化合物を合成した。シクロプロパンの開裂を含む4工程にて合成したエノンに対し、ヨウ化銅存在下ビニルGrignard試薬を作用させたところ、1,4-付加反応および後処理におけるプロトン化が立体選択的に進行し、目的とする化合物を与えた。官能基変換によりカルボン酸へと導いた後、アミンユニットと縮合した。得られたアミドの環状アセタール部位をジチオアセタールとして開環し、遊離した第1級アルコールを酸化しアルデヒドを得た。弱酸性条件下アルデヒド部位とアミド部位でヘミアミナールを形成した後、TFAで処理したところ、ジチオアセタール部位からのヒドリド転位が進行しを与えた。またHaliclonin Aと並行してDensanin類の合成を行っている。6員環から7員環への環拡大反応を経由する合成経路を用いて、立体選択的な7員環化合物の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海洋性天然中分子の合成研究において、基本骨格の構築に関して有益な知見を得ることができているから。
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Strategy for Future Research Activity |
Haliclonin Aに関しては、残りの環構造の構築、Densanin類の合成においては、大環状構造の構築に関して検討を行う。
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Research Products
(6 results)