2016 Fiscal Year Annual Research Report
代謝安定型糖鎖を基盤とする高次生物機能複合糖質アナログの創製
Publicly Offered Research
Project Area | Middle molecular strategy: Creation of higher bio-functional molecules by integrated synthesis. |
Project/Area Number |
16H01167
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平井 剛 九州大学, 薬学研究院, 教授 (50359551)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有機合成 / 糖鎖 / 生体分子 / C-グリコシド / コンホメーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体内の代謝酵素に分解されず、かつオリジナルの糖鎖機能を細胞内で、保持・増幅できるポテンシャルを持つ「高次生物機能中分子」の創製を目指している。その鍵設計コンセプトは、当研究グループで見出したグリコシド結合のO原子をCHF基に置き換えるというシンプルなものである。しかし、これまでに天然型糖鎖の炭素連結型アナログを効率的に合成できる手法は限られており、さらにフッ素原子を導入した例はほとんどなかった。一方、当研究グループでは以前に、2,3-シアリルガラクトース構造の炭素連結型アナログの効率的な合成法を見出しているが、本手法を他の一般的な糖鎖構造に適用することは困難であった。そこで本研究では、生物学的に重要な糖鎖構造である2,6-シアリルガラクトース構造、およびGal-β(1,3)-GalNAc構造の炭素連結型アナログの合成法を開発することを目的としている。 本年度は、2,6-シアリルガラクトース構造を合成すべく、その前段階としてGlc-α(1,6)-Glc構造を有するイソマルトースの炭素連結型アナログ創製を検討した。効率的に2糖を炭素で連結するには、ドナー糖の1位と1炭素増炭したアクセプター糖をアトムトランスファー型のラジカルカップリングを実現することが望ましいと考えた。しかし、容易に合成できるグルコースのキサンテート体からのカップリング反応は全く進行しなかった。本原因を精査し、最終的に周辺保護基をチューニングすることで、中程度の収率で単純な末端オレフィンとのカップリング反応が進行することを見出した。さらに、糖骨格を有するアクセプター分子とのカップリングも進行することをごく最近確認した。今後、さらに条件を最適化し、2,6-シアリルガラクトース構造の炭素連結型アナログ合成に展開していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難易度が高いと考えられていたラジカルカップリング反応を進行させる要件の1つを見出したことは、本研究において非常に重要な成果であり、28年度中に解決出来たことから、順調に進展していると捉えている。
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Strategy for Future Research Activity |
見出したカップリング反応の条件をさらに最適化し、2,6-シアリルガラクトース構造の炭素連結型アナログ合成に展開する。また、より合成が難しいと考えられるGal-β(1,3)-GalNAc構造の炭素連結型アナログ合成に必要な素反応開発にも取り組む。
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[Journal Article] Comparative Characterization of the Leaf Tissue of Physalis alkekengi and Physalis peruviana Using RNA-seq and Metabolite Profiling2016
Author(s)
Atsushi Fukushima, Michimi Nakamura, Hideyuki Suzuki, Mami Yamazaki, Eva Knoch, Tetsuya Mori, Naoyuki Umemoto, Masaki Morita, Go Hirai, Mikiko Sodeoka, and Kazuki Saito
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Journal Title
Frontiers in Plant Science
Volume: 7
Pages: 1883
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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