2016 Fiscal Year Annual Research Report
太陽対流層大規模数値計算を用いた平均場パラメタ推定の精密化
Publicly Offered Research
Project Area | Solar-Terrestrial Environment Prediction as Science and Social Infrastructure |
Project/Area Number |
16H01169
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀田 英之 千葉大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (10767271)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 太陽 / 乱流 / 角運動量輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽の乱流から角運動量パラメタを取り出す方法を新しく提案し、その実用性をテストした。太陽活動予測のためには、大規模な流れを予測することが必要不可欠である。そのためには平均場モデルを用いることが有用であるが、平均場モデルには乱流パラメタを仮定しなければいけないという強い制約がある。そこで、本研究では太陽対流層乱流の直接計算から乱流パラメタを推定するという目的を立てた。当初の方針では、磁場の乱流パラメタを推定するために広く使われているテスト場法を角運動量輸送に対して実施することを考えていたが、流れ場の乱流パラメタに対しては、テスト場法はうまく行かないことがすぐに明らかになった。そこで、平均場(差動回転)の時間発展が情報を持っていることに着目し、平均場と乱流の相関の時間発展をフィッティングすることで、乱流パラメタを導出することを提案した。その仮説の検証のために簡単な太陽乱流を磁場なしで計算した。その計算に提案した手法を適用することで、乱流パラメタを導出した。まず、フィッティング結果を見ると、非常に誤差の小さな状況で実行できており、仮説の妥当性を示している。また、乱流パラメタについてであるが、角運動量輸送については、これまでにトポロジーに議論から創造されていたものとほぼ同じものが導出された。また乱流粘性については、水平方向にはこれまでに予想されたものが得られたが、動径方向には乱流はほとんど粘性的に働いていないことがわかった。動径方向には、熱対流はほぼ直線的に移流しており、拡散的な動きではないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった、テスト場法を使えなかったことは誤算であった。これは、テスト場法では新たな平均場を用意して、擾乱の磁場を計算するのに対して、速度場への乱流パラメタの場合は、新しく計算した速度場ともとからある速度場の切り分けが困難なためにうまくいかなかったのである。その代わりに、時間発展から乱流パラメタの情報を得ることができたのは大きな収穫であった。普段は、差動回転ができるまでの時間発展は情報として捨ててしまっているが、それをすくい上げることで、有益な情報を理解することができた。この手法であれば、方程式は決定しなければいけないパラメタ以上に存在するので、手法の妥当性の検証までができるという利点がある。乱流直接計算を利用した本妥当性の検証もすでに終わっておりその意味では計画通りに進んでいるということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度までに乱流から乱流パラメタを導出する手法は確立したので、2017年度では、より高解像度の場合、磁場のある場合について、乱流パラメタを導出したいと考えている。高解像度化では、小スケールの乱流が回転の影響をあまり受けないために、角運動量輸送の性質が大きく変わることが予想される。また、磁場を含めた場合にはローレンツ力により乱流の抑制が起こるために、角運動量輸送が変わる。これは大規模な磁場がほとんどなかったと考えられるマウンダー極小期時に角運動量輸送がどのように変化したのかを知るためのステップともなる。また、共同研究者とも相談し、得られた乱流パラメタから実際に平均場計算を行うと、乱流直接計算で得られたものが得られるかを検証したいと考えている。
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[Presentation] Small-scale dynamo in the solar interior2016
Author(s)
Hideyuki Hotta, Matthias Rempel, Takaaki Yokoyama
Organizer
Solar and Stellar Magnetic Fields: a conference in honor of Manfred Schussler
Place of Presentation
Goslar, Germary
Year and Date
2016-08-09 – 2016-08-09
Int'l Joint Research / Invited
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