2017 Fiscal Year Annual Research Report
H3K9脱メチル化エピゲノムによる生殖細胞の機能制御
Publicly Offered Research
Project Area | Analyses and regulation of germline epigenome |
Project/Area Number |
16H01218
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
立花 誠 徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 教授 (80303915)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 生殖細胞 / ヒストン / 脱メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒストンH3の9番目のリジン残基(H3K9)のメチル化は、遺伝子発現の抑制状態に強く相関しているエピジェネティックマークである。H3K9のメチル化は、個体発生や細胞分化の過程でダイナミックに変動していることが明らかになりつつある。 本研究の目的は、H3K9の脱メチル化による時間・空間的なH3K9メチル化エピゲノムの再編が生殖細胞の分化に果たす役割を明らかにすることである。私たちは、H3K9脱メチル化酵素であるJmjd1aとJmjd1bを生殖細胞特異的に欠損させたマウスを樹立し、その表現型解析を行なった。Jmjd1a単独欠損マウスでは、精子形成過程の後期、すなわち半数体の生殖細胞の分化不全が観察された。Jmjd1bの単独欠損マウスでは顕著な表現型は観察されなかった。これらに対し、Jmjd1aとJmjd1bの双方を欠損させたマウスでは、生殖細胞の分化の表現型がJmjd1a単独欠損のときよりも重篤化していることが明らかになった。すなわち、出生後2週齢の思春期のマウスの精巣には、生殖細胞が全く存在していなかった。免疫染色の結果から、当該マウスでは雄性生殖細胞の幹細胞が完全に枯渇しており、生殖細胞の維持ができていないことが分かった。遺伝子発現解析を行なった結果、様々な未分化精原細胞のマーカー遺伝子の発現が有意に減少していた。また、減数分裂への移行も阻害されていることが分かった。Jmjd1a/Jmjd1b欠損生殖細胞の分化について、様々な抗体を用いて詳細に検討した結果、未分化精原細胞から分化型精原細胞へと移行する段階で細胞死が誘導されていることがわかった。このことが原因で減数分裂へ移行している細胞が観察されないことが明らかになった。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
[Journal Article] Impact of histone demethylase KDM3A-dependent AP-1 transactivity on hepatotumorigenesis induced by PI3K activation.2017
Author(s)
Nakatsuka T, Tateishi K, Kudo Y, Yamamoto K, Nakagawa H, Fujiwara H, Takahashi R, Miyabayashi K, Asaoka Y, Tanaka Y, Ijichi H, Hirata Y, Otsuka M, Kato M, Sakai J, Tachibana M, Aburatani H, Shinkai Y, *Koike K.
-
Journal Title
Oncogene
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Essential roles of G9a in cell proliferation and differentiation during tooth development.2017
Author(s)
Kamiunten T, Ideno H, Shimada A, Arai Y, Terashima T, Tomooka Y, Nakamura Y, Nakashima K, Kimura H, Shinkai Y, Tachibana M, *Nifuji A
-
Journal Title
Exp Cell Res
Volume: 15
Pages: 202-210
DOI
Peer Reviewed
-
-
-