2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on animal steridal hormones in sex differentiation in Plants
Publicly Offered Research
Project Area | Multidimensional Exploration of Logics of Plant Development |
Project/Area Number |
16H01233
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大西 利幸 静岡大学, 農学部, 准教授 (60542165)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 植物ステロイド / 性分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)基部陸上植物苔類ゼニゴケにおける植物ステロイドの定性定量解析 これまで高等植物においてPROGをはじめとする植物ステロイドが内生することが明らかにされてきた。動物界と植物界を超えて機能すると推定されるPROGの生理機能や生合成経路を解明するためには、植物ステロイドの分布を高等植物だけでなく、下等植物を含めた植物群で調査する必要がる。そこで基部陸上植物苔類ゼニゴケをはじめとするコケ植物やシダ植物における植物ステロイドの定性・定量解析を行った (Yokota et al., 2017)。その結果、ゼニゴケやヒメツリガネゴケにおいて、植物ステロイドであるブラシノステロイドの活性体であるカスタステロンが内生することを明らかにした。このことから植物が陸上化する際において,植物は植物ステロイドを生成していたことが示唆された。 2)トウモロコシ由来プロゲステロン生成酵素の酵素機能解析 トウモロコシにおけるプロゲステロン生成酵素の候補遺伝子であるSDR酵素を大腸菌異種発現系により調製し,プレグネノロン,補酵素NAD+を用いて酵素活性試験を行った。酵素代謝産物とプロゲステロン標準品をガスクロマトグラフ―質量分析装置で分析した結果、マススペクトルおよび保持時間が一致した。以上より,トウモロコシの性分化異常の原因遺伝子の一つであるSDR酵素がプレグネノロンを基質としてプロゲステロンを生合成することを明らかにした。現在, SDR酵素の相対活性や酵素速度論解析を実施し、その生化学的性質の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物ステロイドが基部陸上植物苔類ゼニゴケに存在すること,トウモロコシ由来のプロゲステロン生成酵素の同定に成功したことから,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
プロゲステロン生成酵素の相対活性や酵素速度論解析を実施し、その生化学的性質の解析を行う。基部陸上植物苔類ゼニゴケにおける動物ステロイドの定性定量解析を行う。
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