2017 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズムから解き明かす植物の発生・分化の基本原理
Publicly Offered Research
Project Area | Multidimensional Exploration of Logics of Plant Development |
Project/Area Number |
16H01240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 求 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (80551499)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 概日時計 / 細胞運命決定 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らは概日時計が細胞運命決定に関わっていることを分化誘導系および1細胞解析から証明した。植物の分化誘導系を用いた解析から、ガイジツドケイの変異体では葉肉細胞から維管束細胞への分化転換がうまくいかないことが示された。このことをさらに確かめるために、気孔の形成や根の形成についても解析を行い、いずれの場合においても時計変異体ではメリステム数の減少に起因すると見られる発生異常を観察した。 この原因を明らかにするため細胞分裂周期に関わる遺伝子の発現を調べた所、葉肉からの脱分化初期(幹細胞期)において細胞分裂周期にかかわる遺伝子の発現が時計変異体では低下もしくは発現遅延が見られた。このことと一致するように、根におけるEdUの取り込みも時計変異体では顕著に低下していた。 次に細胞運命決定が先におこりその結果として概日リズムが形成されるのか、概日リズムが形成されることが細胞運命決定のトリガーとなるのかを明らかにするため、1細胞時系列解析を行った。その結果、転写因子BES1は分化誘導直後に活性化され、それをトリガーとして時計遺伝子LHYのリズムが形成されることが明らかとなった。さらに、LHYによって制御される別の時計遺伝子ELF4やLUXは幹細胞特異的な時計遺伝子であることが明らかとなり、特にELF4は維管束幹細胞のマーカー遺伝子より先に発現していることを明らかにした。このことから、概日リズム形成が先におこり、その下流で適切な遺伝子発現が誘導されることで細胞運命が決定されていることを明らかにした。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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