2017 Fiscal Year Annual Research Report
数と対称性の発生進化ロジック:花器官配置の数理解析
Publicly Offered Research
Project Area | Multidimensional Exploration of Logics of Plant Development |
Project/Area Number |
16H01241
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 仰一 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (60334306)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 花器官 / 揺らぎ / 数理モデル / キンポウゲ科 / 分裂組織 / 維管束 / 生物流体 / ゼニゴケ |
Outline of Annual Research Achievements |
数の多様化ロジック:花被片同士の重なり配置の種内変異と種間差異の野外調査を進めた(キンポウゲ科7種)。どの種もらせんと輪生に加えて少数の他の配置が混在し、幾何的に可能な配置の数に比べて制約されていた。配置の制約の発生基盤として、数理モデルから器官原基の差分成長などを見出し、論文出版した。3数性輪生、4数性輪生、5数性らせん、各配置の相対出現頻度(確率)は種ごとに異なる上に、興味深いことに、それ以外の制約された配置の確率と選択的に相関することを見出した。発生過程が特定の器官配置へ制約されることが花器官数の決定に関与することが示唆された。 背腹軸に対称な器官の配置と数と出現順序の多様化ロジック:花の背側および腹側からの原基出現抑制シグナルが過渡的発現するモデルを新たに構築した。その結果、輪生配置の対称性が高まり、器官の数や配置に加えて出現順序についても多様な系統(シソ目、マメ目、他)を統一的に再現できることを明らかにした。 領域内共同研究:ゼニゴケ雌器托のパラソル形状をアクリル樹脂で3Dプリンティングし、液体を掴んで離す機能を実験理論両面から評価した。ゼニゴケと同じく分岐の数が9程度の場合に、パラソル中に液体を保持しつつパラソルを傾けると液体を離す効率が最適となることを見出した。mmサイズの液体のピペットとして機能することを示し、論文出版した。根端ドームと根維管束放射パタンの形成過程のイメージングデータに基づき、定量的な数理モデルを構築した。根端ドームは、細胞分裂の局在と維管束細胞の異方的伸長を通じて力学的に安定なカテナリー曲線となることを明らかにした。維管束木部細胞群の直線的な境界は、木部細胞壁の高い伸展性と木部から離れて位置する師部細胞の分裂局在を通じて形成されることを予測した。実際に、分裂局在が乱れるArabidopsis変異体は境界の直線性が低下し、予測と整合した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)