2017 Fiscal Year Annual Research Report
プラナリア有性化因子で解除されるWntシグナルを介した生殖器官分化抑制機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms regulating gamete formation in animals |
Project/Area Number |
16H01249
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 一也 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (50360110)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 配偶子産生 / 分化多能性幹細胞 / 有性化因子 / Wntシグナル / プラナリア |
Outline of Annual Research Achievements |
扁形動物プラナリアでは、有性個体に含まれる有性化因子と称する化学物質の刺激により、無性個体に生殖器官を誘導させることができる。本研究では、有性化因子で解除されるWntシグナルを介した生殖細胞分化抑制機構の解明を目的として、①生殖器官特異的有性化因子群の特定、②NDK-Wntシグナル下流の経路の決定、③NDK-Wntシグナル上流あるいは独立して働く有性化制御遺伝子の同定を行った。 昨年度までに研究項目①および②に関して目的を到達することがほぼできたので、今年度は研究項目③に関して行なった。目的の遺伝子を同定するためにRNAシーケンスライブラリを作製した。プラナリアの有性化過程には有性化因子の外部投与なしに有性状態に発達・維持できる特異点がある(有性化回避不能点)。有性化回避不能点を迎える前に有性化因子の外部投与による有性化刺激を与えて発現変動する遺伝子には目的の遺伝子が含まれていると仮定してRNA-seq解析を行なったところ、候補遺伝子が12遺伝子得られた。12遺伝子にはアノテーションのつく5遺伝子と未知遺伝子7遺伝子が含まれていた。今回は、アノテーションのつく5遺伝子のなかに含まれていた核内受容体ホモログについてRNAi法による遺伝子機能解析を行なった。驚くことに、核内受容体ホモログのノックダウン個体に有性化因子の刺激を与えても全く有性化が起こらないことがわかった。完全有性化を引き起こせる有性化因子は親水性であるという事実とあわせて考えると、この結果は、親水性の有性化因子の刺激の下流では、脂溶性の化合物の産生と、その受容体の発現が誘導されていることを示唆する。今後、RNA-seq解析により、脂溶性因子の産生に関与する酵素などを絞りこみ、また同時にメタボローム解析などによって脂溶性因子を同定していくことで、プラナリア有性化機構がさらに明らかになっていくはずである。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)