2017 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の進化的に保存された精原幹細胞ニッチの分子基盤の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms regulating gamete formation in animals |
Project/Area Number |
16H01251
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 克晃 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30260326)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精細管 / 精原幹細胞 / 精巣 / セルトリ細胞 / マウス / ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、精原幹細胞SSCの曲精細管でのOPENニッチとは別に、SSCの安定供給源が精細管基部のセルトリバルブ(SV)領域内に存在することを見出している(SVニッチと命名)。本研究課題は、このSVニッチの分子基盤を解明することを目的としている。SV領域ではレチノイン酸の分解酵素の特異的な高発現により、レチノイン酸が低レベル維持されていることが判明している。最終年度において、このSV領域で特異的にレチノイン酸シグナルを上昇させることにより、SV領域のニッチ能が顕著に低下することが判明した。この結果は、レチノイン酸の低活性がSVでのニッチ活性に必須であることを示唆する。さらにSV領域の形成に関わる精巣網からのシグナル因子の発現解析から、SVニッチのセルトリ細胞は、無脊椎動物のニッチ細胞で活性するシグナル因子STAT3が、恒常的に活性化していることが判明した。このSV特異的なSTAT経路の活性化は、曲精細管内のluminal flowが形成する生後2週齢頃から開始することも明らかとなった。さらに、SV領域のセルトリ細胞を単離し、精度の高い一細胞RNA seq解析を行った。その結果、SVニッチ内のセルトリ細胞の一部には、複数の異なった遺伝子発現プロファイルを持つ「特殊なセルトリ細胞」が含まれていることが判明した。以上の結果は、SV領域が規定される分子基盤は、曲精細管でのニッチと似たレチノイン酸シグナル系が機能しており、さらに一部において、ハエのSSCニッチと類似したSTATシグナル経路が利用されていることが判明した。
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Research Progress Status |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Competition for Mitogens Regulates Spermatogenic Stem Cell Homeostasis in an Open Niche.2019
Author(s)
Kitadate Y, Jorg DJ, Tokue M, Maruyama A, Ichikawa R, Tsuchiya S, Segi-Nishida E, Nakagawa T, Uchida A, Kimura-Yoshida C, Mizuno S, Sugiyama F, Azami T, Ema M, Noda C, Kobayashi S, Matsuo I, Kanai Y, Nagasawa T, Sugimoto Y, Takahashi S, Simons BD, Yoshida S.
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Journal Title
Cell Stem Cell
Volume: 24
Pages: 79-92
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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