2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of local circuit formation for generating memory
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of memory dynamism elucidated from a diversity of learning systems |
Project/Area Number |
16H01275
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 健 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10241241)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クラスター型プロトカドヘリン / 記憶 / 短期記憶 / マウス / 神経細胞 / 脳 / 細胞系譜 |
Outline of Annual Research Achievements |
記憶ダイナミズムは、脳における神経細胞の集団的活動によりもたらされている。この集団的活動の基盤には、個々の神経細胞がつくる複雑なネットワークの性質が関与することが示唆されている。本研究では、神経細胞で異なる組み合わせ発現をするクラスター型プロトカドヘリン(cPcdh)遺伝子群に注目し、神経回路の構築と機能形成メカニズムの解析を行った。本研究では、対立遺伝子間でのCre/loxP組み換えを利用してcPcdh遺伝子クラスターを様々な組み合わせで欠損させたマウスを作製した。全てのcPcdh遺伝子欠損マウスでは、脳幹網様体や脊髄の介在ニューロンの神経細胞死、機能的神経回路異常、海馬神経細胞での自発的神経活動パターンを解析する。また、cPcdh遺伝子欠損マウスからiPS細胞を樹立して、神経回路形成とcPcdhとの関わりを解析するとともに、cPcdhのランダムな組み合わせ発現によるネットワークモデル(Gene Matched Networkモデル)を検証した。 本研究では野生型キメラマウスを用いて、バレル皮質4層の星状細胞間から同時ホールセル記録を行い、細胞系譜の異なる神経細胞間に比べて同じ細胞系譜の神経細胞間には高い確率で双方向性結合が形成されていることを初めて見出した。この細胞系譜依存的な特異的双方向性結合は、発達前期のシナプス結合の増加と発達後期の一方向性結合の減少を伴って形成されることも明らかにした。この細胞系譜依存的な特異的双方向性結合にcPcdhが関与するかどうかを検証するために、cPcdh-KOキメラマウスを用いて同様の解析を行った結果、野生型キメラマウスとは大きく異なる発達過程と結合様式を示したことから、大脳皮質における細胞系譜依存的な特異的シナプス結合にcPcdhが関与することが初めて示された。
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Research Progress Status |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)