2016 Fiscal Year Annual Research Report
AMPA型グルタミン酸受容体の糖鎖修飾による新たなシナプス可塑性の動作原理
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of memory dynamism elucidated from a diversity of learning systems |
Project/Area Number |
16H01277
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高宮 考悟 宮崎大学, 医学部, 教授 (40283767)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グルタミン酸受容体 / 糖鎖修飾 / チャンネル |
Outline of Annual Research Achievements |
1)AMPA型グルタミン酸受容体(AMPA-R)の糖鎖修飾による機能制御 初代神経細胞において糖タンパク質のN型糖鎖を消化するPNGase Fを用いて、培養神経細胞のAMPA-Rの機能解析を行ったところ、 再感作現象がみられた。 AMPA-RのGluA1サブユニットの細胞外領域のN型糖鎖修飾に注目し、6カ所あるN型糖鎖修飾部位に各々変異を加えてチャンネル活性を測定したところ一カ所のアミノ酸をアスパラギンからグルタミンに変換した変異体で再感作現象が認められた。 (2)糖鎖修飾による細胞膜脂質ラフトへの局在の制御 糖鎖修飾されないAMPA-Rは、脂質ラフトに局在していることが明らかとなった。また同一神経においても脂質ラフトが存在するシナプスと、しないものがあり、シナプスにおける脂質ラフトの形成が神経活動に依存して増加することがわかった。つまり糖鎖の除去により脱感作現象が消失しAMPA-Rのチャンネル活性が大きく変化する。さらに同一神経細胞に脂質ラフト陽性のシナプスと陰性のシナプスが存在することによりAMPA-Rのシナプスにおける局在が制御されるのである。これらより“糖鎖修飾の有無によってAMPA-R の局在がコントロールされ、個々のシナプス強度が変化する”という新たなメカニズムで神経伝達の各シナプスでの違いを生み出すという結果を得た。 これまでに、AMPA-R、糖鎖修飾、脂質ラフトのシナプス可塑性における動的関係がほぼ明らかとなり、これまで得られた知見とその生体における重要性を検討するため、糖鎖修飾を受けないようにしたAMPA-Rを発現するノックインマウスの作成に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな発見があり、その各々を詳細に解析する必要があったため予定より進捗が遅くなっている。しかし正確かつ各々の結果をよく理解するためには、必要な実験であったために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた実験結果が、実際に脳内で起こっているかの検証と、ノックインマウスを作成して実験結果の検証と行動実験を行う。
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Research Products
(6 results)