2017 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動の可塑性と記憶におけるレム睡眠の役割
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of memory dynamism elucidated from a diversity of learning systems |
Project/Area Number |
16H01279
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
水関 健司 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80344448)
|
Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2018-03-31
|
Keywords | レム睡眠 / 記憶 / 海馬台 / 扁桃体 / 前頭前野 / 海馬 / 発火頻度 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
レム睡眠の機能については殆ど分かっていない。最近筆者らは、レム睡眠が海馬の神経細胞の発火頻度の減少と同期性の上昇を引き起こすことを見出した(Grosmark et al., 2012)。本研究は、レム睡眠が海馬以外の脳領域でも神経細胞の発火頻度の減少と同期性の上昇を引き起こすかを調べた。さらに、レム睡眠による発火頻度や同期性の変化と記憶や情報処理の関係を明らかにすることで、神経活動の可塑性と記憶におけるレム睡眠の役割を解明することを目指した。 本年度はまず、解剖学的に海馬体の出口層にあたる海馬台と呼ばれる領域の投射神経細胞に対して、レム睡眠による発火頻度や同期性の調節が投射先依存的である可能性を調べた。そのために、自由行動中の動物に大規模電気生理学と光遺伝学的手法を組み合わせて適用することで、記録している海馬台の投射神経細胞を投射先により分類する手法を確立した。この方法を用いて、場所記憶課題中とその前後の睡眠の記録をとり、それぞれの投射先脳領域へ投射している海馬台の神経細胞が行動中にどのような場所情報や記憶情報を表現し、その活動性がレム睡眠によってどのように制御されているかを網羅的に調べる系を立ち上げた。 さらに、記憶の形成・固定・消去の過程で、腹側海馬・前頭前野・扁桃体の各領域において、個々の神経細胞の行動中における情報表現とレム睡眠による活動性の相関を調べる系を立ち上げた。この研究のためにはシリコンプローブを使って脳の3箇所から同時記録することが必要であるため、3Dプリンタを用いてシリコンプローブを高密度に装着する方法を確立した。レム睡眠の後に行われる記憶の固定のテストや記憶消去の固定のテストなどの結果と、レム睡眠による発火頻度や同期性の変化との相関を調べることで、レム睡眠による発火頻度や同期性の調節がどのように記憶と関わっているのかを直接的に判定できる系を立ち上げた。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)