2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel molecular mechanism regulating age-dependent dynamism of motor memory.
Publicly Offered Research
Project Area | Principles of memory dynamism elucidated from a diversity of learning systems |
Project/Area Number |
16H01280
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
掛川 渉 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70383718)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動記憶 / シナプス可塑性 / D-セリン / 小脳 / 生後発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
D-セリンはD-アミノ酸の一種であり、記憶・学習の分子基盤とされるシナプス可塑性を制御するNMDA型グルタミン酸受容体 (NMDA受容体) のコアゴニストとして働く重要な分子である。これまで私たちは、D-セリンがNMDA受容体だけでなく、小脳回路の要衝を担う顆粒細胞-プルキンエ細胞シナプスに発現するデルタ2型グルタミン酸受容体 (デルタ2受容体) に結合し、シナプス可塑性や、小脳に依存した運動記憶・学習を促進させることを明らかにした (Kakegawa et al., Nat Neurosci, '11)。小脳におけるD-セリン量は生後発達期に豊富に存在するものの、その後激減し、成熟期にはD-セリンはほとんど検出されなくなる。そこで本研究では、加齢に伴ったユニークなD-セリン量変化と新規D-セリン受容体であるデルタ2受容体に着目し、生後発達に伴う小脳「記憶・学習ダイナミズム」の分子機構を解明することにした。 今年度は、デルタ2受容体を介する新規D-セリンシグナリングの分子機構を明らかにすることを目的とした。まず、このシグナリングが細胞内カルシウム依存的に誘発されるかどうかを確認するため、カルシウムキレート剤存在下で実験を行うと、D-セリンシグナリングは駆動されなかった。次に、デルタ2受容体の細胞内最C末端領域に結合するチロシン脱リン酸化酵素PTPMEGの遺伝子欠損マウスを用いて同様な実験を行うと、D-セリンシグナリングは著しく障害された。このことから、デルタ2受容体を介するD-セリンシグナリングは、細胞内カルシウムとPTPMEGの活性化が必須であることが示唆された(論文投稿準備中)。今後、デルタ2受容体へのD-セリン結合がどのようにPTPMEGの活性化につながるかを明らかにしていきたい。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Chemical labelling for visualizing native AMPA receptors in live neurons2017
Author(s)
Wakayama, S., Kiyonaka, S., Arai, I., Kakegawa, W., Matsuda, S., Ibata, K., Nemoto, Y.L., Kusumi, A., Yuzaki, M., Hamachi, I.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 8
Pages: 14850
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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