2017 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造変化の可視化によるニューロン分化遺伝子群制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic chromatin structure and function |
Project/Area Number |
16H01297
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸 雄介 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (00645236)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ニューロン / 神経幹細胞 / クロマチン / ポリコーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ニューロンは、神経突起やシナプスなどの特徴的な形質を持ち、分化に伴って多くのニューロン特異的な遺伝子群を発現することでその機能を発揮している。ニューロンは神経幹細胞から、主に発生期に産生されるため、神経幹細胞でのニューロン分化能が適切に制御される必要がある。本研究では、神経幹細胞におけるニューロン分化能がどのように制御され、それがニューロン分化過程での適切な機能発現にどのように重要か、クロマチン構造に着目して研究を進めた。 神経幹細胞におけるニューロン分化能は、ニューロン分化関連遺伝子の転写状態によって規定されるが、これまでの研究でポリコーム群タンパク質(PcG)がニューロン分化関連遺伝子を抑制していることが明らかになっていた。このPcGに着目したところ、ニューロン分化期においてはPcGがヒストンユビキチン化という修飾によって「一過的に(可逆的に)」ニューロン関連遺伝子を抑制しているために、誘導シグナルに応答してPcGが外れ、ニューロン関連遺伝子が活性化しニューロンが産生されることがわかった。一方グリア分化期ではPcGはヒストンユビキチン化ではなく染色体の凝集により「がっちりと」ニューロン関連遺伝子を抑制しているために、ニューロン誘導シグナルに応答してPcGがニューロン関連遺伝子から外れることはもはやなく、神経幹細胞はニューロンを作れなくなっていることが明らかとなった。すなわち、PcGの機能の使い分けこそが神経幹細胞のニューロン分化能の制御に重要である、という新しい仮説を提唱した(Tsuboi, Kishi et al., Dev. Cell, 2018)。 また、本研究に関連して、神経発生におけるクロマチン構造とその意義について、最近の進展を英文総説にまとめた(Kisehi and Gotoh, Front. Neurosci., 2018)。
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Research Progress Status |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)