2016 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstructing kinetochores and CENP-A nucleosomes
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic chromatin structure and function |
Project/Area Number |
16H01317
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 政充 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50447356)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 染色体 / 動原体 / セントロメア / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,染色体のセントロメア領域にのみ動原体が形成される現象に着目し,その原点となるヒストンH3バリアントであるCENP-Aの局在制御の分子機構を解明するものである。 これまでに我々は,CENP-Aの局在量が低下する変異体であるkis1-1変異体を遺伝学スクリーニングにより単離した。この変異体では,Mis6/CENP-Iタンパク質の局在も低下していたため,Kis1タンパク質の機能として,Mis6を動原体に局在させるすること,ならびにCENP-Aを動原体に局在させることの2つの機能が示唆されていた。 本研究では,なぜkis1変異体でCENP-Aが局在できないのかに焦点を当てて,動原体の形成に新しい知見を得ることを第一の目的とした。 その結果,kis1変異体ではCENP-Aの動原体への呼び込みができないことが分かった。これは既に他生物で知られていたことでもあるが,Kis1を含むMis18複合体がHUJRPを介してCENP-Aの呼び込みに関与することを確認した。また,分裂酵母においてCENP-Aのセントロメアへの呼び込みは分裂期に起きないことがFRAP実験から分かった。このことは,Kis1が分裂期に動原体から局在を消失することと一致する結果となった。言い換えると,他の時期(間期)にはCENP-Aのセントロメアへの呼び込みが常に起きるものの,分裂期にそれが起きないため,分裂期にはCENP-Aを何らかの形で維持する仕組みがあるとの結論に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度内には,クロマチンを用いた生化学実験に想定外の不安定性が生じて研究の遅れがみられたが,年度内に問題は解決し,その後の実験により,CENP-Aのセントロメアへの呼び込みについて得るべき成果を得られたため,おおむね順調と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果によって,kis1変異体では2つの現象,すなわち,CENP-Aの呼び込み量の低下と,Mis6/CENP-I の局在量の低下が起きていることが分かっている。このうち前者についてはこれまでの実験で明確にその機序が説明できるようになった。しかし,後者については未解明であるため,今後はこれに焦点を当てて解析を継続する。
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Research Products
(13 results)