2017 Fiscal Year Annual Research Report
体内時計制御グリアネットワークによる「精神-疼痛」連関メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Glial assembly: a new regulatory machinery of brain function and disorders |
Project/Area Number |
16H01332
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宝田 剛志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (30377428)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ペリサイト / グリア |
Outline of Annual Research Achievements |
グリア病である神経障害性疼痛は、精神的ストレスや精神疾患との関連性が臨床上指摘されている(うつを伴う慢性痛、統合失調症や自閉スペクトラム症での痛覚鈍麻など)。しかし、この「精神と疼痛(痛み)」の関連性(連関)の分子基盤は未解明である。本研究では、睡眠障害やうつ等の精神疾患に関連性が深い時計システム(体内時計)に注目し、「体内時計によるグリアネットワークの制御」という観点から、この「精神と疼痛」の謎に挑んだ。我々の解析結果より、睡眠障害等の精神疾患との関連性が深い体内時計システムが破綻したマウス(Bmal1欠損マウス)では、脳・脊髄組織でのアストロサイトの異常活性化が認められた。同マウスにて行動学的解析を実施した結果、多動といった精神行動異常が観察されただけでなく、神経障害性疼痛モデルを実施した結果、神経障害時におけるアロディニアが消失していた。更なる解析の結果、この病態は、血管周囲に存在するアストロサイト-ペリサイトアセンブリ異常による血液脳関門(BBB)破綻に起因することを見出した(J Neurosci.37:10052-10062,2017)。つまり、BBB恒常性は体内時計システムによるグリアネットワークの上に成り立ち、そのシステム破綻は、アストロサイトの異常活性化という段階を経て、精神/疼痛機構を共に破綻させることが示唆される。また、体内時計システムが破綻したマウスでは、脳幹部位特異的な炎症性サイトカインの上昇が観察され、脳幹の特定神経核での異常が行動異常の原因である可能性を見出した。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|