2017 Fiscal Year Annual Research Report
グリア・末梢免疫連関の制御を通じた神経変性機序の解明と治療標的同定
Publicly Offered Research
Project Area | Glial assembly: a new regulatory machinery of brain function and disorders |
Project/Area Number |
16H01336
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山中 宏二 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80446533)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | グリア / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、免疫学的背景の異なる2種類のSOD1変異ALSモデルマウスを作成して、それらの分子病態を比較することを通じて、神経変性疾患の病態と末梢免疫反応との連関の解明を目的とする。 末梢免疫背景の異なる細胞性免疫(Th1)優位なC57BL/6系統、及び液性免疫(Th2)優位なBalb/c系統の2種類のALSモデル(以下G93A(B6)、G93A(Balb))マウスを作成し、生存解析を行った。G93A(Balb)マウスの平均生存期間は、G93A(B6)マウスに対して有意に短縮した (G93A(Balb): 199.1 days; G93A(B6): 224.6 days, n=17-18)。次に、病態への関与が予想される遺伝子群の脊髄における発現を比較し、G93A(Balb)マウスにおいてケモカインや神経栄養因子の発現が低いことを見いだした。また、G93A(Balb)マウスでは、G93A(B6)と比較して免疫細胞の脊髄内浸潤がほとんど起こらず、脊髄内の活性化ミクログリアの細胞数の低下がみられた。その機序の一端として、発症後のG93A(Balb)マウスにおいて、ミクログリアの細胞死が亢進していた。一方、遺伝的背景による影響を検証するため、C57BL/6マウス及びBalb/cマウス由来の初代培養ミクログリアを比較したが、細胞増殖率に差は見られなかった。さらに、血清中の免疫・炎症関連分子の発現解析を行ったところ、G93A(Balb)マウスの末梢血におけるケモカインやある種のサイトカインの低下傾向を認めた。 以上の結果から、G93A(B6)マウスとG93A(Balb)マウスにおけるミクログリアの表現型や病態の差異は遺伝的背景によるものではなく、免疫反応など神経組織外の環境に由来することが示唆された。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)