2016 Fiscal Year Annual Research Report
脳発生期におけるグリア細胞の役割
Publicly Offered Research
Project Area | Glial assembly: a new regulatory machinery of brain function and disorders |
Project/Area Number |
16H01343
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲嶋 一範 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90280734)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抑制性神経細胞 / 前頭前野 / リーリン / ソマトスタチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は平成28年4月からスタートさせたが、新学術領域研究「場との連携による脳細胞の動態制御機構」(H28-H32)が採択されたことにより、重複制限規定に伴い平成28年6月に終了することとなった。 我々は、以前の研究において大脳皮質抑制性神経前駆細胞をマウスの新生仔期にあらかじめ内側前頭前野(mPFC)に移植しておくと、後頭葉に移植した時とは異なり、統合失調症様症状を誘発する薬物PCP に対する抵抗性が高くなることを見いだした。さらに、mPFC に移植すると、頭頂葉や後頭葉への移植時と異なり、移植細胞からリーリン/ソマトスタチン二重陽性の抑制性神経細胞が多く分化してくることを発見した。そこで本研究では、マウス胎生13.5日目の大脳皮質抑制性神経前駆細胞を切り出し、出生直後のマウスmPFCまたは後頭葉の細胞と混合して培養したところ、mPFCとの混合培養においてリーリン/ソマトスタチン二重陽性の抑制性神経細胞がより多く分化してくることがわかった。そこで次に、ミリセルインサートを用いて大脳皮質抑制性神経前駆細胞と皮質細胞とが直接接触しない状態で共培養した。その結果、やはり同様にリーリン/ソマトスタチン二重陽性の抑制性神経細胞はmPFCとの共培養時により多く分化してくることを見出した。以上の結果より、mPFCにおいて大脳皮質抑制性神経前駆細胞からリーリン/ソマトスタチン二重陽性抑制性神経細胞が多く分化する現象を担う機構として、領野間で異なる細胞外分泌因子が重要である可能性が示唆された。さらにこの因子を分泌する細胞種を同定するための培養実験を遂行中である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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