2017 Fiscal Year Annual Research Report
高比重リポ蛋白(HDL)機能を制御する脂質クオリティ
Publicly Offered Research
Project Area | Quality of lipids in biological systems |
Project/Area Number |
16H01361
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
篠原 正和 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (80437483)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高比重リポタンパク(HDL) / ロイコトリエンB4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、様々な炎症反応・生体防御に重要な役割を担うマクロファージとHDLとの相互作用に注目した研究を行ってきた。マクロファージと、健常人HDLまたは動脈硬化症例HDLをインキュベーションさせた後、マクロファージから産生される脂質代謝物を解析した。包括的脂質代謝物解析によって、マクロファージから産生される強力な炎症性脂質LTB4は、健常人HDLを添加したときのみ低下することが明らかとなった。 次にHDL-マクロファージ相互作用を観察すると、健常人HDLはマクロファージにクラスリン依存性エンドサイトーシスによって能動的に取り込まれ、その後活性化マクロファージで増加している5-LOを分解、また炎症収束に関わる12/15-LOを活性化することで、抗炎症・炎症収束作用を持つマクロファージを誘導することが明らかとなった。一方で、動脈硬化症例においては、エクソソームを由来とするLTB4産生酵素群がHDL上に存在し、HDL自身がde novoにLTB4を産生していることを見出した。この結果、マクロファージのエンドサイトーシスが阻害され、動脈硬化症例HDLはマクロファージに取り込まれなくなり、健常人HDLに見られる抗炎症・炎症収束作用が発揮できなくなることを明らかとした。 本研究は、HDLから産生される生理活性脂質が周囲の細胞に影響を与えるという、新たな「HDL-細胞間相互作用」の存在を明らかにした。また本内容は “Novel mechanism of regulation of the 5-lipoxygenase/leukotriene B4 pathway by high-density lipoprotein in macrophages”として Scientific Report誌ならびに神戸大学プレスリリースとして発表され、本領域の推進に貢献することができた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Eicosapentaenoic Acid-Enriched High-Density Lipoproteins Exhibit Anti-Atherogenic Properties.2018
Author(s)
Tanaka N, Irino Y, Shinohara M, Tsuda S, Mori T, Nagao M, Oshita T, Mori K, Hara T, Toh R, Ishida T, Hirata KI.
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Journal Title
Circulation Journal
Volume: 82
Pages: 596-601
DOI
Peer Reviewed
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