2017 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類低温ショック蛋白質の発現制御機構と機能に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative understanding of biological phenomena with temperature as a key theme |
Project/Area Number |
16H01387
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50173430)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ストレス / 精子 / イオンチャンネル / 低温 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類精子形成細胞は軽度低温環境でのみ増殖・分化可能である。また皮膚や気道は体内よりも低い温度環境下にある。しかし、軽度低温の生物学的研究は遅れている。軽度低温誘導性蛋白質(CIP)としてはCIRPとRBM3とが知られており、細胞増殖、アポトーシス、精子形成、概日リズム、炎症、発癌、創傷治癒その他に関与する。両者は低酸素、紫外線などいろいろなストレスでも発現誘導される。本研究ではCIPの発現制御機構及び様々な機能の分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。その結果 1. 新たな低温ショック蛋白質CIPとしてスプライシング因子SRSF5を見出した。 2. CIPの軽度低温での発現誘導にはTRPV4イオンチャンネルが必要であるが、発現誘導活性はそのイオンチャンネル活性とは独立の機能であることを示した。 3. CIPの軽度低温による発現誘導には、TRPV4だけではなくTRPV3とTRPM8イオンチャンネルも関与しており、この活性はイオンチャンネル活性とは独立であることが示唆された。TRPの細胞膜への局在が必要であるのか、多量体をなして機能するのか、さらなる解析が必要である。 4. CIRPノックアウトマウスを用いたモデル実験により、皮膚で発現するCIRPが創傷治癒を促進すること、この作用はCIRPがAMPKシグナル経路を刺激して、細胞運動を促進するためであることを見出した。 本研究により、軽度低温によるスプライシングの変化が起きる可能性、イオンチャンネルの制御により軽度低温に影響される現象を制御できる可能性が明らかになり、いろいろな分野での医学応用が考えられる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] TRPV4-dependent induction of a novel mammalian cold-inducible protein SRSF5 as well as CIRP and RBM3.2017
Author(s)
Fujita T, Higashitsuji H, Higashitsuji H, Liu Y, Itoh K, Sakurai T, Kojima T, Kandori S, Nishiyama H, Fukumoto M, Fukumoto M, Shibasaki K, Fujita J.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 7
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research