2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a database of chromosome structural information for the interpretation of genome sequences
Publicly Offered Research
Project Area | Chromosome Orchestration System |
Project/Area Number |
16H01403
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60217643)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゲノムブラウザ / クロマチン構造 / 染色体ループ構造 / エンハンサー / DNAメチル化 / データ可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム配列情報解釈のための染色体構造情報データベースを構築し、OpenLooperと命名し、インターネット上に試験的に公開した。本新学術領域研究の中で内容に若干重なりのある東工大の伊藤教授のグループと相談して、我々のグループは主にユーザ向けのデータ表示部分を担当し、伊藤教授のグループは、Hi-Cの生データ処理などの、より実験データ処理に近い部分を分担することとした。我々の担当部分はほぼ完成しており、一般ユーザからのデータ入力が可能な状態で、Hi-C、ChIP-seq、RNA-seqデータなどを表示することができる。OpenLooperの特筆すべき特徴の一つは、データ登録者がデータを特定の利用者とだけデータを共有したいときの設定が容易にできることである。これにより、この新学術領域メンバー間でのデータ共有が容易にできる設計となっている。またクロマチン構造を特徴づける情報として、DNAのメチル化情報も重要で、WGBS法などを用いた全ゲノム規模のデータが世界的に発表されている。それらの公共データを収集・解析し、神経細胞と胚性幹細胞におけるマイナーなメチル化成分であるnon-CpGメチル化の包括的な解析をおこなった(論文投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように可視化とデータ共有機能は最初のバージョンがおおむね完成し、一般利用者に試験的に公開した形までもってこられたので、おおむね計画通りと言える。現在のところ、班員からの自発的なデータ入力がないので、早急に第三者ユーザに試用してもらってコメントを集めるステップを急ぐ必要がある。しかし、班員の中でもChIP-seq実験データやHi-Cデータを産出しているグループはまだそれほど多くはないようなので、とりあえずは代表者の白髭グループに試してもらう必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、第三者にシステムを試用してもらい、より使いやすいものなるように完成度を高めていく。我々がターゲットとしている種類のデータを産出しているグループが、領域内に現状ではそれほど多くないので、最初の2年間のうちは、一部の利用者を対象にして、システムを改良していくのが現実的であろう。また、東工大伊藤教授グループとのシステム統合も果たしていきたい。さらに、クロマチン構造変化とエンハンサー作用の解析に研究を進めていく予定である。
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