2017 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現制御と高次ゲノム構造動態の関係解明
Publicly Offered Research
Project Area | Chromosome Orchestration System |
Project/Area Number |
16H01407
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
落合 博 広島大学, 理学研究科, 特任講師 (60640753)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / 発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、遠距離のゲノム領域間相互作用が遺伝子発現制御に関与していることが明らかとなってきた。ゲノム領域間相互作用は特定遺伝子領域の核内における「物理的可動範囲」を規定していると考えられる。一方で、外来レポーター遺伝子を利用した研究から、局所的クロマチン構造の脱凝縮を伴う転写活性化と当該遺伝子領域の流動性に相関があることが示されており、上記の考察とは相反している。本研究では、マウスES細胞をモデルとし、特定遺伝子の核内位置および転写活性の可視化技術(ROLEXシステム)を利用し、多数の内在遺伝子の転写と核内動態の関係性を調べ、さらに各遺伝子のゲノム領域間相互作用をHi-Cデータから解析することで、高次ゲノム構造の動態と転写活性の関係性を明らかにすることを目指す。昨年度はトランスポゾンを利用して1コピーのみゲノム中2ランダムにレポーターカセットが導入された25細胞株を樹立した。これらの転写活性と核内動態の関係を調べたところ、いずれの領域も転写活性依存的にと核内動態が大きく変化することがなかった。一方で、遺伝子座ごとに核内動態が大きく異なっていた。核内構造との関係を調べたところ、TADの大きさとは相関がなかったものの、より高次の構造であるコンパートメントと呼ばれる構造の大きさと核内流動性に相関が見られた。このことから、各遺伝子領域の流動性は転写活性能依存的ではなく、核内構造(コンパートメントサイズ)によって規定されていることが示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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