2016 Fiscal Year Annual Research Report
実用的リアルタイムナノスコピーを実現する機能性色素・タグドメインシステムの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
16H01416
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅沼 大祐 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10611204)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超解像イメージング技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、提案する機能性色素とタグドメインの結合解離による蛍光明滅反応を利用した一分子位置決定法を基に、生きた細胞において目的分子のナノスケール動態を明らかにする超解像イメージング技術を開発することを目的とする。本年度は、機能性色素・タグドメインのプロトタイプ技術の開発を実施した。機能性色素は蛍光色素と消光団をリンカーで結合したハイブリッド分子を指し、複数の候補分子を合成して評価を行ったところ、単独で強く消光する機能性色素候補の取得に成功した。一方、タグドメインの開発では、低分子である消光団に対して特異的に結合する抗体を取得するため、消光団を複数標識したキャリアタンパク質を抗原としてマウスに免疫を行い、定法に従って抗消光団抗体を産生する細胞株を取得した。さらに、取得した抗体を一本鎖抗体へと変換してタグドメイン候補を取得した。培養細胞にタグドメイン候補を遺伝子導入し、機能性色素候補を用いて蛍光イメージングを行ったところ、タグドメイン候補を発現する細胞を特異的に蛍光染色することが可能であることを明らかにした。また、顕微鏡実験を通して機能性色素候補・タグドメイン候補により蛍光明滅反応が実現することを確認した。これらの成果は、本年度の目標を達成するものである。さらに検討を進め、ストップトフロー装置を用いて機能性色素候補とタグドメイン候補の結合解離特性の評価を行ったところ、当初予期していたことであるが両分子の解離速度は遅く、提案するリアルタイムナノスコピーの実現のため解離速度の高速化が必要であった。色素・タグドメインの結合解離特性の最適化のため、次年度の計画を前倒しして色素・タグドメインの遺伝学的/化学的スクリーニングについて検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた機能性色素・タグドメインのプロトタイプ技術の開発に成功した。また、次年度に計画していた機能性色素・タグドメインの遺伝学的/化学的スクリーニングについて前倒しして検討を開始することができた。本研究の最終目標である「生きた細胞において目的分子のナノスケール動態を明らかにする超解像イメージング技術の確立」に向けて、研究は当初の計画以上に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度における研究目標を順調に達成し、計画を前倒しして研究を推進することができた。平成29年度は、前年度に得た研究結果を基に、当初の計画通り研究を進めていく。
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Research Products
(1 results)