2016 Fiscal Year Annual Research Report
Single molecule RNA imaging triggered by weak transient association
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
16H01429
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50314422)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | RNA / 蛍光 / 1分子計測 / 蛍光相関分光 / blinking / 構造転移 / ダイナミクス / 速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体高分子は通常構造転移を伴って機能している。多くの生体高分子は常に動いているのではなく、何らかの極低頻度かつ過渡的な(=発生確率が非常に低く、存在時間の短い)相互作用がトリガーとなり構造転移が引き起こされ機能していると考えられ、このような現象を追跡することは非常に難しい。応募者はこれまで、蛍光相関分光法(FCS)を用いて蛍光の点滅過程=blinkingを観測することにより、種々の化学反応の速度を1分子レベルで測定し、蛍光分子周辺の環境情報を読み出す手法開発を行ってきた(Kinetic Analysis based on the Control of fluorescence Blinking: 以下KACB法)。今回、蛍光分子がほぼ消光されているヘアピンRNAを構築し、極低頻度で起こるヘアピンの開裂をKACB法により読み出すことを検討した。点滅の頻度から構造転移が起こる頻度がわかり、光っている時間の長さから開状態として存在している時間を測定できる。KACB法を用いて過渡的な弱い相互作用がヘアピンの開裂を誘起する可能性について探求を行った。ヘアピン状態では蛍光が電子移動消光されているU4ループを持つヘアピンを構築し、ほぼヘアピン状態として存在している温度条件でFCS測定を行った。多くの蛍光分子は共焦点領域通過中に一度も発光状態(=開状態)にならず、ヘアピンの開裂頻度をblinkingにより評価した。ループ部位に相補的なオリゴヌクレオチドA4を添加したところ、開裂頻度が約倍程度増加することを示唆する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KACB法を用いて過渡的な弱い相互作用がヘアピンの開裂を誘起する可能性について探求を行った結果、弱く、短い時間しか持続しないU4ループとA4との相互作用が、ヘアピンの開裂を誘起しうることを示唆する結果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究において、ヘアピン状態では蛍光が電子移動消光されているU4ループを持つヘアピンを構築してKACB法を用いて調べた結果、ループ部位に相補的なオリゴヌクレオチドA4を添加すると、過渡的な弱い相互作用が開裂頻度が約倍程度増加することを示唆する結果が得られた。平成29年度は、本現象をより詳細に検討するため、ループ部位の長さ及び配列、添加する鎖の長さ及び配列に関して種々の組み合わせを検討し、過渡的な相互作用の影響を浮き彫りにする。得られた知見を用いて、RNAの1分子イメージングへの応用を検討する。
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Research Products
(14 results)