2016 Fiscal Year Annual Research Report
Acceleration of the development of safe and effective transfection methods by tissue optical clearing
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
16H01431
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
麓 伸太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (70380988)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / 組織透明化 / 可視化 / 空間分布 / 遺伝子導入法 / 酸化ストレス / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発、特に遺伝子導入法の開発を行っている。組織透明化により開発したキャリアの組織中空間分布を評価することを想起し、DDSの評価法として組織透明化法の有効性を学会発表してきた。しかしながら、従来の組織透明化法では、界面活性剤を使用することが多く、リポソームなどのDDS製剤の評価法として適さない。そこで本研究では、脂質膜を保持しつつ、充分な透明化効率を発揮する新規組織透明化試薬Seebest (See Biological Events and States in Tissues) を開発した。H28年度においてはSeebestを最適化し、脳、肝臓、腎臓、脾臓、心臓、肺、胃、小腸、大腸の各組織を透明にできた。脂溶性カルボシアニン色素DiIによる血管染色にも対応可能であった。また、蛍光共鳴エネルギー移動法によりリポソーム膜への影響は小さいことが明らかとなった。さらに、電子顕微鏡観察により、脂質構造が電顕レベルで保たれていることも明らかになった。 遺伝子導入法では、酸化ストレスが複雑に絡むと考えられる。これまでに、大容量のプラスミド溶液を瞬時に投与するハイドロダイナミクス法では、酸化ストレスの発生が高い遺伝子発現に密接に絡むと報告されている。そこで、本研究では酸化ストレスの可視化にチャレンジした。まず、酸化ストレスのモデルである、肝虚血再灌流障害について検討し、CellROX Deep Red試薬を用いて組織透明化により、酸化ストレスの空間分布が評価できることを示した。次に、ハイドロダイナミクス法において、遺伝子発現と酸化ストレスの相対的空間分布を評価し、酸化ストレス発生部位は遺伝子発現陽性細胞ではなく、その近傍であることが示された。一方、DDS製剤としてPEG修飾リポソームの組織中空間分布も解析可能であることも示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに得られた成果に基づき、新規組織透明化試薬について特許申請した。また、組織透明化によりDDS評価を行ったことに関しては、学会発表も行った。このように着実に成果を出し、学会発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
論文については、現在執筆中であり、H29年度中には論文公表したい。 今後は、細胞死や細胞骨格の可視化にチャレンジしていく。
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