2016 Fiscal Year Annual Research Report
周辺情報に着目した細胞内画像中の粒子計数と追跡
Publicly Offered Research
Project Area | Resonance Biology for Innovative Bioimaging |
Project/Area Number |
16H01435
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
堀田 一弘 名城大学, 理工学部, 准教授 (40345426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞内画像処理 / 粒子検出 / 粒子計数 / 対象追跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
ディープラーニングの1つであるConvolutional Neural Network(CNN)は様々な画像認識タスクで有効性を示している。細胞内画像でも有効であることが期待されるので、ここでは細胞内画像からの粒子の検出と細胞膜の検出の問題に取り組んだ。一般に、対象検出は対象と対象以外の2クラスの識別問題として解く。粒子の検出問題も粒子と背景の2クラス問題と考え、CNNを適用するのが自然である。しかし、細胞内画像は低解像度、ノイズ、粒子同士が密集することによる個体の輪郭が不明瞭になる等の問題があるため、精度がそれほど高くない。特に、密集領域での精度が低下してしまう。密集領域では粒子の輪郭が不明瞭になるが、全ての輪郭が見えないわけではない。我々はここに着目し、明確な輪郭から粒子の中心を予測する方法を提案した。画像中の局所領域から粒子の中心を予測し、その結果を投票することにより、密集領域でも粒子の中心だけが高い類似度を持つようになる。実際の細胞内画像および人工的に作成した細胞画像を用いた実験により、通常の2クラスのCNNに比べて提案手法の精度が向上することを確認した。 また、細胞核や粒子は形状がある程度決まっているため、CNN等の識別法が有効に働くと考えられる。しかし、細胞膜は粒子よりも見えの変動が大きいので、単にCNNにより識別問題を解いても検出が難しい。そこで、入力画像からクラスラベルを生成するディープラーニング法を応用することにより、細胞膜の検出を行う研究も開始した。さらに、隠れに強い対象追跡の研究も行い、有効性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周辺の情報を利用して粒子検出の精度を向上させる方法を提案し、有効性を示すことができた。また、細胞膜の検出や対象の追跡問題にも取り組み始めた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内画像中の粒子検出の精度を高めることができたが、方向を決めずに距離だけを予測して投票しているため、密集領域では背景部分も投票値が高くなることがある。この影響を低減し、さらなる高精度化に取り組む。また、細胞膜の検出問題、細胞状態の識別、粒子の追跡にも取り組んでいく。
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