2017 Fiscal Year Annual Research Report
細胞作用の繰り返しで自律的に3次元形態を構築するカイメン骨片骨格形成
Publicly Offered Research
Project Area | Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms |
Project/Area Number |
16H01445
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船山 典子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30276175)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カイメン / 骨格形成機構 / 自己組織化 / 環境適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は光シート型顕微鏡をもちいた詳細なタイムラプス画像を撮影、多角的に解析した結果、カイメン基底上皮退縮時に以下の現象がおき、「カイメン体内3次元空間の形状の変化」と「Transport cellsが体内空間を覆う2つの上皮組織、基底上皮とENCM上を細胞集団として1本の骨片を運搬する」というローカルルールの結果、通常よりも体の内側に骨片が建てられることを明らかに出来た。建てられた骨片の基底側端は最終的に基底上皮細胞の間から基質側に一部出て、基底上皮細胞と基質の間に分泌されるコラーゲンマトリクスにより基質に結合される。すなわち、建てられた骨片は基質との接着を補強する。今回明らかにしたメカニズムは、骨片を基底上皮細胞が基質に接着しにくい様な野外環境下で、通常は体の辺縁部に建ててゆく骨片を、体の内側部分に建てて基質との接着を補強し生き残る固着性生物であるカイメンの微小環境に合わせた生存戦略なのではないかと考えられる。
得られた結果の詳細は以下の通り。1)外側上皮と基底上皮の距離が約20μm以下と近接している。2)この体内空間が狭い部分で骨片運搬の停滞(運搬速度が落ち、細かく前後に動く)している。3)計測したTransport cell集団のサイズは20-30μmであることから、骨片運搬停滞時に細胞集団としては2つの上皮組織に接していると強く示唆される。4)この停滞後、より体内空間が狭い辺縁部ではなく体の内側方向へ基底上皮、外側上皮の内側のENCMどちらかを運搬される 5)ENCMを運搬されると比較的短い運搬のうちに上皮に骨片が刺さり建てられる確率が高い。ENCMの3次元形状が緩く張ったテントの様にカーブしているという私たちの明視野での観察結果から、この3次元形状のため骨片が刺さりやすいと考えられる。以上の研究成果は論文にまとめて投稿しリバイス中である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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