2017 Fiscal Year Annual Research Report
ERK活性伝播による3次元形態形成制御の構成的理解
Publicly Offered Research
Project Area | Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms |
Project/Area Number |
16H01447
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
青木 一洋 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (80511427)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ERK / 細胞集団運動 / collective migration / FRET |
Outline of Annual Research Achievements |
集団として細胞が運動する「細胞集団運動(collective cell migration)」は、胚発生や創傷治癒、癌の浸潤といった組織の構築過程に見られる細胞運動様式の1つである。細胞集団運動の分子機構は、その多様性や複雑性から、単一細胞の細胞運動と比べて解析が進んでいない。我々は、ERK MAPキナーゼの活性の伝搬方向に向かって細胞が集団運動することを明らかにしつつある。しかし、3次元の組織構築において実際にERK活性の伝搬が細胞集団運動を引き起こしているのかは自明ではない。そこで本研究は「ERK活性伝搬による細胞集団運動機構と3次元の形態形成の制御機構の解明」を目的として研究を進めた。 本年度は、ERK活性伝搬機構を解析した。CRISPR/Cas9による遺伝子編集法により、ADAM、MMP遺伝子を網羅的にノックアウトして、ERK活性伝搬をFRETバイオセンサーにより可視化したところ、ADAM17/TACEのノックアウトによりERK活性伝搬が阻害されることが明らかになった。さらに、光遺伝学的な手法によりERK活性の細胞間伝搬を再構成すると、細胞集団運動を誘導できることが分かった。興味深いことに、光の移動速度を変化させると、2 um/minのときに細胞集団運動がもっとも効率よく誘導されることが分かった。これらのデータをもとに細胞がばねで連結された1次元数理モデルを効率し、数値シミュレーションを行ったところ、実験結果同様、ERK活性伝搬速度の最適な値があることが分かった。これらの結果は、Develpmental Cell誌に発表された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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