2016 Fiscal Year Annual Research Report
単層上皮のシートから成る神経管に多様な形態を形成する機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Discovery of the logic that establishes the 3D structure of organisms |
Project/Area Number |
16H01449
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
畠山 淳 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (90404350)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経管 / 境界細胞 / 神経上皮シート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、単調な上皮シートの管から多様な形態を形成する機構の理解を目指し、神経管のくびれ、突出、隆起の形成機構を明らかにすることを目的とする。神経発生の初期に将来の脳の領域予定図が神経上皮には描かれ、区画分けが起こる。この区画を仕切る境界細胞群が存在し、区画間で細胞が入り交じらないように細胞拡散を制限している。我々は境界細胞の形態的特徴を見出し、その形態的特徴を指標に新規の境界細胞を発見した。この新規境界細胞が形成されないHes欠損マウスでは、大脳基底核隆起が低形成であることから、境界細胞は神経上皮シートから隆起構造を形成するのに貢献していることが示唆された。この新規境界細胞は、細胞数個をGFPでラベルする手法により、他の主要な境界細胞と同様に、細胞拡散を制限することが明らかになった。このことから、新規境界細胞は、細胞をある一定区画に留めておくことで隆起した構造を形成することに貢献しているのかもしれない。この仮説をさらに検証するために、境界細胞を人為的に作製、または崩壊させることを目標に、境界細胞の形成に関わる因子の探索を行っている。後脳(ロンボメア)や間脳の境界細胞を取ってきて、周囲の神経上皮シートと遺伝子発現を比較するために、次世代シークエンスを行った。今後は、その解析を行い人為的に境界細胞を操作し、神経上皮シートの形態形成に境界細胞がどのような役割があるのか明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
熊本地震やそれに伴う試料の調達の遅延、機器の不具合があり、研究を中断せざるおえない、もしくは通常より時間がかかる状態にあり研究全体にやや遅延がある。及び出産・産休の影響もある。しかしながら、現時点では研究環境も回復し周囲のサポートもあり、研究を問題なく遂行できるので、遅れを取り戻せるよう努める。
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Strategy for Future Research Activity |
新規境界細胞が形成されないHes欠損マウスで、細胞の振る舞いがどうなっているのか明らかにする。さらに境界細胞の形成に関わる因子の同定、それを用いた境界細胞の人為的操作を行い、神経上皮シートの形態形成における境界細胞の役割を明らかにする。境界細胞による神経上皮シートの様々な形態(くびれ、突出、隆起)の形成の原理を明らかにすることを目指す。
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Research Products
(3 results)