2016 Fiscal Year Annual Research Report
MAPK-mediated regulation of plant immunological memory
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative system of autonomous environmental signal recognition and memorization for plant plasticity |
Project/Area Number |
16H01474
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
川崎 努 近畿大学, 農学部, 教授 (90283936)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 植物免疫 / MAPK / エピジェネティク制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の細胞膜上には多くの受容体が存在し、病原菌の構成成分を認識すると、感染部位で一過的な防御反応を誘導する。この反応は、病原菌の二次感染に対して迅速な反応を活性化する「プライミング」状態を誘導する引き金となっている。このプライミング効果は、病原菌の二次感染に備えた「植物免疫記憶」である。プライミング効果による迅速な免疫遺伝子の活性化は、遺伝子領域のDNAの脱メチル化制御と関連していることが示唆されているが、その詳細は不明である。一方、植物の受容体による病原菌認識に伴って、細胞内ではMAPKカスケード(MAPKKK-MAPKK-MAPK)が活性化され、様々な免疫応答が誘導されることが知られているが、その制御下で、免疫遺伝子領域のDNAの脱メチル化が制御されているかは不明である。そこで、MAPKカスケードがDNAの脱メチル化に関与するかを明らかにするため、MAPKKの活性型遺伝子MKK4DDとMKK5DDの誘導系を用いて、MAPKの活性化に伴うDNAメチル化関連遺伝子の発現変動を解析した。その結果、AGO4やAGO6などDNAメチル化に関連する遺伝子の発現が減少することが明らかになり、これらの遺伝子発現の低下がDNAの脱メチル化を誘導していることが示唆された。実際、MAPKの活性化を誘導するべん毛タンパク質由来のペプチドflg22を処理した場合においても、AGO4などの遺伝子発現が抑制されることが明らかになった。さらに、AGO4のプロモーター領域には、WRKY型転写因子により制御されるW-boxが存在するため、AGO4の発現抑制は、MAPK-WRKYの制御系で調節されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、活性型のMAPKKを発現する植物体を用いた解析により、MAPKの制御下で、DNAメチル化に関与する遺伝子の発現が制御されていることを明らかにすることができ、当初の目的を達成することができた。また、それらの制御は、WRKY型転写因子を介して行われていることが示唆され、今後の展開に向けて重要な成果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、MAPKKの活性型遺伝子MKK4DDとMKK5DDの誘導系を用いて、MAPKの活性化に伴うDNAメチル化関連遺伝子の発現変動を解析したところ、AGO4やAGO6などDNAメチル化に関連する遺伝子の発現が減少することが明らかになった。このことは、MAPKの制御下で、DNAの脱メチル化が制御されていることを示唆している。また、AGO4のプロモーター領域には、WRKY型転写因子により制御されるW-boxが存在していた。このことから、AGO4の発現抑制は、MAPK-WRKYの制御系で調節されている可能性が示唆された。そこで、WRKY型転写因子のドミナントネガティブ変異遺伝子を導入した植物体(WRKY-SRDX植物)を用いて、WRKYがAGO4の転写抑制に関与しているかどうかを明らかにする。さらに、WRKY-SRDX植物を、MKK4DD植物あるいはMKK5DD植物と交配し、得られた植物体を解析することで、MAPK-WRKY-AGO4のシグナル系を明らかにする。また、生態系における病原菌感染を模倣するため、べん毛タンパク質由来のペプチドを複数回、処理したところ、AGO4の発現抑制が観察された。しかし、まだ予備的であるため、安定的なデータが得られる実験系を確立し、病原菌の二次感染が免疫のプライミング状態を誘導する機構を明らかにする。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] The Arabidopsis CERK1-associated kinase PBL27 connects chitin perception to MAPK activation2016
Author(s)
Yamada K, Yamaguchi K, Shirakawa T, Nakagami H, Mine A, Ishikawa K, Fujiwara M, Narusaka M, Narusaka Y, Ichimura K, Kobayashi Y, Matsui H, Nomura Y, Nomoto M, Tada Y, Fukao Y, Fukamizo T, Tsuda K, Shirasu K, Shibuya N, and Kawasaki T.
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Journal Title
EMBO Journal
Volume: 35
Pages: 2468-2483
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] The CERK1-associated kinase PBL27 regulates chitin-triggered MAPK activation through phosphorylation of MAPKKK5 in Arabidopsis2016
Author(s)
Koji Yamaguchi, Kenta Yamada, Tomomi Shirakawa, Akira Mine,Yuka Kobayashi, Masayuki Fujiwara, Kazuya Ichimura, Mari Narusaka, Yoshihiro Narusaka, Kenichi Tsuda, and Tsutomu Kawasaki
Organizer
Cold Spring Harbor Asia Conference, Latest advances in plant development & environmental response
Place of Presentation
淡路夢舞台国際会議場(兵庫県淡路市)
Year and Date
2016-11-29 – 2016-12-02
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[Presentation] PBL27 directly connects between the chitin receptor, CERK1 and MAPK cascade in chitin-triggered immunity2016
Author(s)
Koji Yamaguchi, Kenta Yamada, Tomomi Shirakawa, Akira Mine, Mari Narusaka, Yoshihiro Narusaka, Kazuya Ichimura, Kenichi Tsuda, Fukamizo Tamo, Naoto Shibuya, Tsutomu Kawasaki
Organizer
2016 IS-MPMI XVII Congress
Place of Presentation
Oregon Convention Center (米国)
Year and Date
2016-07-16 – 2016-07-23
Int'l Joint Research
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