2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms underlying temporal association memory
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
16H01495
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大原 慎也 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (10570038)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外側嗅内皮質 / 局所回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
外側嗅内皮(LEC)は記憶に重要な脳領域(海馬、内側前頭前野mPFC、嗅周囲皮質)と強い結合を持ち、記憶形成に重要な役割を果たすことが知られている。本研究の目的は、このLECの局所回路の構造を明らかにするとともに、記憶形成におけるLEC局所回路の役割を解明することである。 これまでにLECⅡ層錐体細胞(カルビンジン陽性細胞)が非常に強い領域内投射を持ち、LEC表層と内側嗅内皮質I層に投射することを明らかにした。この結果は、カルビンジン陽性細胞が嗅内皮質‐海馬路の情報伝達に深く関与することを示唆している。 本年度はさらにLEC深層ニューロンが形成する局所回路にも注目した。海馬から皮質領域への出力を中継するLECV層は、海馬に一時的に蓄えられている情報を皮質へと移行し長期記憶を形成する上で重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、皮質領域に出力するVa層が海馬からの入力を受け取らないことが近年の研究で示されたことにより、これまで提唱されてきた海馬‐皮質出力路に疑問が生じた。我々は狂犬病ウイルスによる経シナプス性トレーシング法を用いることで、海馬からの直接入力を受け取るVb層ニューロンがVa層ニューロンに入力することを示し、この疑問を解決した。また、Vb層ニューロンがLEC表層にも軸索を延ばし、海馬投射細胞に入力することを示した(日本神経科学2017, LBA020、SfN 2017, 83.24)。さらに、記憶形成に深く関与するmPFCと内側中隔野(MS)からの入力についても調べ、mPFCはVb層選択的に投射するのに対し、MSはVa層選択的に投射することを示した。 本研究により、記憶形成の神経基盤であるLEC局所回路の構造の一端が明らかとなった。mPFCやMSからの入力がLEC局所回路の情報伝達をどのように修飾し記憶形成に関わっているのかについては今後の課題である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] 複数マウスの脳活動を自由行動下で同時計測可能な化学発光膜電位センサーの開発2017
Author(s)
稲垣 成矩, 揚妻 正和, 筒井 秀和, 大原 慎也, 新井 由之, 鈴木 和志, 神野 有香, 松田 知己, 飯島 敏夫, 岡村 康司, 永井 健治
Organizer
第40回日本神経科学大会
Int'l Joint Research
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