2017 Fiscal Year Annual Research Report
Bodily and neural mechanisms of subjective time estimation in narrative comprehension
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
16H01507
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 英嗣 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (50711595)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 物語理解 / 時間 / 自閉スペクトラム症 / コミュニケーション / 視点取得 / 細部への注意 / 注意の切り替え |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちが物語を読む際に、物語に記述されている時間軸、空間情報を正しく理解する必要があ る。物語の内容を正しく把握するためには、時間、空間情報を推論しながら読む必要がある。物語の世界や現実場面において、他者の視点に立つ能力のことを、視点取得と呼ぶ(子安, 2005)。物語理解における視点取得には、物語における時間および空間の理解が必要である。自閉スペクトラム症を持つ人は、他者の視点を理解することが不得意である(Frith, 2003)。27名の大学生(女性15名)を対象とし、視点取得課題を含んだ読解課題と、自閉症スペクトラム指数(「ソーシャルスキル」、「コミュニケーション」、「想像力」、「細部への注意」、「注意の切り替え」の下位項目; Baron-Cohen et al., 2001)、日本版 TAS-20 トロント・アレキシサイミア尺度 (小牧他, 2003)を用いて検討をした。時間と空間に基づく視点取得課題の成績と、自閉スペクトラム症傾向との関連を検討し、自閉症傾向が高いほど、視点取得課題の成績が低くなると予測した。アレキシサイミア傾向を統制した結果、自閉症傾向の得点は、文の実現可能性判断の正答率と関連し、「コミュニケーション」が困難であるほど、文の実現可能性判断の正答率が低いことがわかった。この結果は、自閉症傾向が高いほど、視点取得課題の成績が低くなるという予測を部分的に支持している、また、「細部への注意」が高く、「注意の切り替え」が困難であるほど、判断の正答率が高かった。この結果は、細部への注意が高いほど、顔刺激の再認成績が高いという先行研究(Davis et al., 2017)と一致し、自閉症スペクトラム指数による自閉症特性の中でも注意の問題は、ソーシャルスキル、コミュニケーション、想像力などといった他のSocial domainの特性とは異なることが示された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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