2016 Fiscal Year Annual Research Report
強迫性障害における主観的時間とその生物学的基盤
Publicly Offered Research
Project Area | The Science of Mental Time: investigation into the past, present, and future |
Project/Area Number |
16H01512
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 雄希 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (60714475)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2018-03-31
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Keywords | 神経科学 / 強迫性障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
予備的検討において定時隔スケジュール課題(serial fixed interval task:SFI課題)中の主観的時間を機能的MRI(fMRI)で解読することは、実験デザインとして多くの困難があることがわかった。主観的時間をfMRI実験データから解読することに関しては、実験デザインも含めて再検討を要する。 時間パラメータが関係する強化学習課題に関しては、健常対照者及び強迫性障害患者に対して、行動実験を行った。予備的検討においては、健常対照群と強迫性障害患者群で総獲得金額が異なり、時間パラメータの変化から想定される学習の変化も示唆された。今後課題の改良も含めてさらなる検討とデータ収集が必要である。 脳機能と時間パラメータに関しては、公開データ(Human Connectome Project)を使用し、時間パラメータを含めた複数の認知機能尺度が、正準相関解析などの手法を用いて脳機能画像から解読できることを示した。これが自施設データに汎化するかどうかに関しては、共通するdemographic dataなどを対象に、今後さらなる検討を行う。 更に、現在とは時間的に隔たった未来や過去の事象への拘泥が関係すると考えられる症候である「不安」に関しては、自施設及び海外の健常者及び強迫性障害患者データ、健常者の公開データ(Human Connectome Project)を用いることで、被験者・状態・群を超えた不安マーカーを作成することに成功した。これらの内容に関して、論文原稿の準備を行い、現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採択決定が当初の予定と比べて遅れたため。 予備的検討から、課題の改良を含めた再検討が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
モデルと臨床の連携をより密に行い、課題設計及び改良・データ収集も含めて、研究のさらなる推進を図る。
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