2017 Fiscal Year Annual Research Report
高次元NMRデータ解析法の開発およびGPCRの機能解明への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
16H01531
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 卓見 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (20451859)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NMR / GPCR / 構造生物学 / 膜蛋白質 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 機械学習 / スパースモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
アレスチンシグナルをより強く活性化することが知られている、二種類目のバイアスリガンドが結合した状態における、重水素化とメチオニン選択標識を両方施したb2アドレナリン受容体のNMRスペクトルを取得した。その結果、M82およびM215のシグナルの化学シフトが、通常のリガンド結合時と比べて変化することが明らかとなった。そこで、これまでに観測した、各リガンドが結合した状態のM82およびM215のNMRシグナルと対応する構造平衡モデルを、昨年度開発したマルコフ連鎖モンテカルロ法に基づく手法を利用して探索した。その結果、バイアスリガンド結合状態を含む各状態のNMRシグナルの化学シフトおよび線幅を良く再現する構造平衡モデルを得ることができた。さらに、開発した手法を原核生物の走温性を制御するCheA-CheY複合体のNMRスペクトルの解析に適用した。その結果、CheAのP1ドメインがCheYと結合した状態と解離した状態の平衡定数の最適値と誤差を算出することができた。この結果から、温度が283 Kから303 Kに上昇すると、複合体の平衡がCheAのP1ドメインがCheYと解離した状態に偏ることが明らかとなった。さらに、温度依存的な平衡の変化の影響を、シグナル伝達反応全体の数理シミュレーションにより検証した結果、このCheA-CheY複合体における平衡のシフトが、低温時において、温度が高い方に細胞が移動する現象を説明できることが示された。以上のCheA-CheY複合体の解析の結果を、投稿論文に発表した(Minato et al., Sci. Rep. 2017)。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Deuteration and Selective Labeling of Alanine Methyl Groups of β 2-Adrenergic Receptor Expressed in a Baculovirus-Insect Cell Expression System2018
Author(s)
Yutaka Kofuku, Tomoki Yokomizo, Shunsuke Imai, Yutaro Shiraishi, Mei Natsume, Hiroaki Itoh, Masayuki Inoue, Kunio Nakata, Shunsuke Igarashi, Hideyuki Yamaguchi, Toshimi Mizukoshi, Ei-Ichiro Suzuki, Takumi Ueda, Ichio Shimada
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Journal Title
Journal of Biomolecular NMR
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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