2016 Fiscal Year Annual Research Report
スパースモデリングを用いた側頭葉における顔の情報コーディングの研究
Publicly Offered Research
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
16H01561
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅生 康子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40357257)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 顔 / 情報処理 / ニューロン / 知覚 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
スパースモデリングを用いて認知機能を知覚と記憶の相互作用の観点から取り扱う枠組みを、電気生理学データに基づくデータ駆動アプローチで構築することを目指す。我々の社会生活を支える脳の重要な機能の1つ、顔の個体や表情の認知は、入力された視覚情報から、髪、眉、眼、鼻、口などの要素を取り出し、その組み合わせとしての顔を知覚するプロセスと、過去に見た経験により形成された記憶から想起された顔と今見ている顔とを照合するというプロセスの統合によって可能になると考えられる。これまでの研究から、知覚のプロセスには側頭皮質の顔細胞からの情報が、記憶から顔を想起するプロセスには内側側頭葉の概念細胞の情報が関与していると考えられる。しかしながら、情報の統合を可能にする神経機構は明らかでない。これまで、顔の倒立提示により個体認知の成績が低下するという心理学的現象に基づき、顔の倒立提示が側頭葉視覚連合野(TE野)の情報処理に影響を与えることを明らかにしてきた。本年度は、顔の知覚のプロセスを司るTE野における顔コーディングを解明するため、個々のニューロンによる情報表現を調べた。分散分析で個々のニューロンの応答を解析したところ、サルの個体と表情の効果を表現するニューロン、ヒトの個体と表情の効果を表現するニューロン、および、サルとヒトの個体や表情の効果を表現するニューロンが存在し、すなわちサル・ヒトや個体・表情の表現がある程度収束していた。これらのニューロンが階層としては深い情報処理を担うことと関連する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
側頭葉における顔のコーディングの解明に進展がみられているため。
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Strategy for Future Research Activity |
神経活動空間と、画像特徴空間の比較により、ニューロンによるコーディングの解明をさらに進める。
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