2017 Fiscal Year Annual Research Report
新しい組織分取法を用いたがんゲノム進化の探索とそれに基づく臨床病態予測の可能性
Publicly Offered Research
Project Area | Conquering cancer through neo-dimensional systems understanding |
Project/Area Number |
16H01580
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
谷内田 真一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (20359920)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | がんゲノム進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、解剖症例を用いて「がんの進化の探索とそれに基づく臨床病態予測の可能性」の実験を行った。本症例は多臓器転移を伴う患者で、死亡後約2時間で解剖を開始することが出来たことから、良質な研究試料が採取可能と考えた。また、生前の生検組織では、多彩な形態像を示していたことから、臨床・病理学的に興味深い症例であった。さらに、病気の進行が極めて早かったことから、がんのクローン進化に関する研究を、本解剖症例を用いて行うこととした。 解剖症例で原発巣が大きいことから、予定していたオリンパス社製のGCM(Glass Chip Macrodissection)プロトタイプを用いず、原発巣の最大割のスライスを、凍結したまま肉眼的にさいの目に約5~10 mm角に分割して収集した(計:20部位)。原発巣は肉眼的にも、多彩な像を示している。さらに、4ヶ所の肝転移巣からも、凍結試料を採取した。各部位からHE染色用と免疫組織化学染色用のホルマリン固定標本、凍結組織からDNAとRNAを抽出した。DNAからは全エクソーム・シーケンス解析、メチル化解析(Infinium MethylationEPIC BeamChip)を行っている。また、RNAは解剖症例ではあったが、高品質のものが抽出可能であった。RNA-Seq(TruSeq RNA Access Library Prep Kit)も全部位のサンプルを用いて行った。現在はそのシーケンス・ランが終了し、情報解析を行っている。遺伝子変異、メチル化、RNAの発現解析を組み合わせたマルチオミックス解析を行い、がんのクローン進化を多角的に評価している。特に、集団遺伝学的な数理解析を行い、原発巣におけるゲノム・エピゲノム進化地図を作成している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Cardiac intimal sarcoma with PDGFRβ mutation and co-amplification of PDGFRα and MDM2: an autopsy case analyzed by whole-exome sequencing.2017
Author(s)
Ito Y, Maeda D, Yoshida M, Yoshida A, Kudo-Asabe Y, Nanjyo H, Izumi C, Yamamoto F, Inoue M, Shibata H, Katoh H, Ishikawa S, Nakamura H, Totoki Y, Shibata T, Yachida S, Goto A.
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Journal Title
Virchows Arch
Volume: 471
Pages: 423-428
DOI
Peer Reviewed