2016 Fiscal Year Annual Research Report
高速2光子軸索機能イメージングにより探索する軸索神経活動の発振現象
Publicly Offered Research
Project Area | Non-linear Neuro-oscillology: Towards Integrative Understanding of Human Nature |
Project/Area Number |
16H01624
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 康裕 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20533128)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大脳皮質 / 軸索 / 発振 / 視床 / 運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、別個に集団発振する神経集団の共存・相互作用・同期化を探索し、さらに行動と対応付けることである。技術的には(1)大脳皮質運動野に分布する軸索をベータあるいは低ガンマ帯までを計測できる計測系を立ち上げること、(2)由来が異なる2種類の軸索の同時イメージングを実現することであった。 本年度はこれらの技術的な側面を解決することを主眼に置いて研究実施計画を立てていた。 (1)については、麻酔下、覚醒安静時において100Hzの記録を取ることができた。運動時にも10Hzの記録を取ることができた。低ガンマ帯の解析のためには50Hz程度の記録が必要と考えられるため、少なくとも麻酔下、覚醒安静時においての解析は可能となった。運動時の記録については視野の揺れによる軸索のイメージングクオリティを保つために計測技術の更新が必要であり、現在も調整中である。また、これらの技術を用いて、運動関連部位を傷害した動物で、カルシウム指示たんぱく質を投射軸索に発現させ、麻酔下および覚醒安静時のイメージングを行った。これらの軸索の正常時及び病的な状態の軸索活動のデータを取得することができたため、解析を開始している。 (2)については、ウイルスベクターを2か所の脳部位に注入する。カルシウム指示性タンパク質にはどちらにもGCaMP6fを用い、同時に投射軸索判別のための蛍光分子を発現させるが、これを2光子励起波長のピークが異なる2種類の蛍光タンパク質をそれぞれの部位に打ち分ける。これらの蛍光タンパク質は投射軸索にも発現し、第1層ですべてが観察される。機能イメージング自体は緑一色で行い、同時に赤色で揺れ補正を行う。軸索がどこに由来するかは、画像から判別可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低ガンマ帯までの発振現象を解析可能な画像データの取得についてはすでに実現しているが、運動時の記録については10Hzにとどまっており、低ガンマ帯までの記録には達していない。これは次年度における課題として残っている。2種類の軸索の同時イメージングについてはすでに実現した。当初計画に加えて、正常動物以外にも脳傷害した動物でのイメージングも始めており、当初計画した以上の実験を行うこともできた。そのため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に取得したデータの解析がまだ進んでいないため、こちらの解析に注力する。 また、運動時の記録については新たな記録法が必要となるため、新たなレンズを用いた計測を行い、低ガンマ帯の解析が可能なデータを取得する。低ガンマ帯の解析が可能なデータが取得できない場合、既存の方法の撮像パラメータを最適化することでイメージング速度の改善を図り、運動実行などで最近注目されているベータ帯を中心に解析していく。
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Research Products
(2 results)