2016 Fiscal Year Annual Research Report
生体リズム内的脱同調の健康影響と脆弱性要因の解明
Publicly Offered Research
Project Area | "LIVING IN SPACE" - Integral Understanding of life-regulation mechanism from "SPACE" |
Project/Area Number |
16H01655
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
北村 真吾 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神生理研究部, 室長 (80570291)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生体リズム / 内的脱同調 / クロノタイプ / 社会的ジェットラグ / 国際宇宙ステーション(ISS) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ISS低照度環境を模擬した隔離実験および疫学調査により、低照度環境での内定脱同調出現を検証し、併せてリスク要因(クロノタイプ、光同調能、社会・その他の生物学的要因)の評価を行うことである。 本年度は内的脱同調検証実験を実施した。ISSの光環境(覚醒期間で約100lux)を想定した4日間の低照度隔離実験を健康成人12名を対象として実施し、概日リズム位相(メラトニン分泌開始時刻)と睡眠覚醒スケジュールとの乖離を指標とした低照度環境による内的脱同調の出現についての検証を進めた。12名の結果から、ISSを想定した低照度環境での内的脱同調の出現を確認した(平均25分、95%信頼区間15-34分)。3日目起床時の1時間の高照度光曝露により位相は平均して前進したが、約2時間の幅がみられ、個人の光反応性の違いの反映と考えられた。この個人の光反応性は1日目から2日目の位相の変化量と有意に相関したことから、内的脱同調のリスク要因として示された。一方、生物時計の表現型のひとつである個人のクロノタイプ特性(朝型夜型)はスペクトラムとしても群間としても位相変化量と有意な関連がみられず、内的脱同調のリスク要因として示されなかった。 本年度はまた、内的脱同調の表現型のひとつである社会的ジェットラグ(社会的制約がある平日の睡眠と生物時計と一致した制約のない休日の睡眠との時間差)を指標としたWeb調査を実施するためのシステム整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低照度時間隔離実験の目標対象者数の半数以上に対して実施を完了した。また、疫学調査についてもシステム整備を完了したことで、おおむね当初予定のスケジュール通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に引き続き、内的脱同調検証実験を行う。また、社会的ジェットラグの脆弱性要因調査を実施する。
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