2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of skin colour space and mapping of skin-Shitsukan recognition
Publicly Offered Research
Project Area | Understanding human recognition of material properties for innovation in SHITSUKAN science and technology |
Project/Area Number |
16H01663
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
溝上 陽子 千葉大学, 大学院融合科学研究科, 准教授 (40436340)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 質感 / 肌 / 肌の色 / 肌色空間 / 心理物理学 / 視覚工学 / 色彩工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肌の色素沈着の分析と視感評価実験による肌の色とテクスチャが肌質感認識に及ぼす影響の定量化、肌色知覚を正確に評価するための肌色空間の構築、さらに肌質感画像の肌色空間へのマッピングを実現することを目的としている。 本年度は、肌色空間構築のための基礎データを取得するため、肌色の色分布と色の識別(弁別)能力の関係を調べた。日本人女性694名の肌を測定して得られたCIELAB値に対して主成分分析を行い、第1主成分と第2主成分によって構成される肌色特有の色平面を構築した。そして、肌画像と肌色単色画像をその平面上の8方向に変調し、肌色の弁別閾値を調べた。実験の結果、肌画像は赤みが増加する方向に対して弁別閾値が小さい傾向が見られた。一方で、単色画像は赤みに対する弁別閾値が小さいという傾向は見られず、肌特有の色知覚の存在が示された。上記の色平面において、皮膚中のメラニン(日焼け等により濃度が増減)とヘモグロビン(血流により濃度が増減)の2つの肌色構成成分の濃度変化を解析した結果、これらの肌色構成成分と肌色の知覚特性との関連も示唆された。 肌質感知覚に関しては、色素斑の個数や面積が、色素斑の目立ちに与える影響を調べた。色素斑の総面積や個々の面積を同様に保った状態で色素斑の個数を変化させた画像を作成し、大きい色素斑1個の画像と比較することで、色素斑の目立ちを評価する実験を行った。また、色素斑が同じ個数でも、大きい色素斑を含む条件と、全て小さい色素斑の条件の2種類を行った。その結果、色素斑の総面積が大きい場合よりも、各画像における最大色素斑の面積が大きい場合の方が目立ちの評価は高かった。また、色素斑が同じ個数でも、大きい色素斑を含む場合の方が、全て小さい色素斑の場合より目立ちの評価は高かった。このことから、色素斑の個々の面積が色素斑の目立ちに最も影響を与えると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究実施計画に記載した検証は、ほぼ予定通り進んでいる。肌色空間構築のための基礎データとなる肌色の弁別閾値は、赤みが増加する、すなわちヘモグロビン方向に対して小さい傾向があることを明らかにできた。また、肌質感に関しては、色素斑の個数や面積が目立ちに与える影響を詳細に調べることができた。知覚的等色差の検討と肌質感の他の側面についての検討はまだ行っていないが、関連するテーマである、日本人女性の長期的な肌色の変遷や画像分析手法の検討は進んだため、全体としてはおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
肌色空間構築のための軸とスケーリング設定を具体化するため、モンテカルロシミュレーションにより求めたメラニン、ヘモグロビンの色変化方向での色知覚実験をさらに進める。また、肌質感の知覚に関しては、目立ちと弁別の両方の観点から検討を進める。加えて、コンピュータグラッフィクスの専門家の協力を得て、よりリアルな顔の刺激も用いて、肌の色と質感知覚を多角的に検証していく予定である。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] A new quantitative evaluation method for age-related changes of individual pigmented spots in facial skin2016
Author(s)
Kikuchi, K., Masuda, Y., Yamashita, T., Sato, K., Katagiri, C., Hirao, T., Mizokami, Y. and Yaguchi, H.
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Journal Title
Skin Research and Technology
Volume: 22
Pages: 318-324
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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