2016 Fiscal Year Annual Research Report
触覚の質感を表現するオノマトペの神経基盤
Publicly Offered Research
Project Area | Understanding human recognition of material properties for innovation in SHITSUKAN science and technology |
Project/Area Number |
16H01680
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
北田 亮 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (50526027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 触覚 / オノマトペ / 素材 / 質感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目標は、 触覚で得た素材感とオノマトペの結びつきに関する神経基盤を明らかにすることである。本年度の目標どおり機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて①触覚による素材の柔らかさ強度に対応する神経基盤の同定(実験1)②柔らかさ強度を表現するオノマトペを表象する神経基盤の同定(実験2) ③触覚の神経基盤とオノマトペを表象する神経基盤の間の相互作用の同定(実験3)の3実験を完了させた。①に関する神経基盤の同定はほぼ完了し、②③の結果については現在解析を進めているところである。来年度から海外へ転出するが、それ以降も継続して結果をまとめる予定である。
さらに質感に関する研究として、触覚による物体の動き知覚に関する論文を発表した。私たちが触覚から質感を抽出するには、自分の肌か物体が動いていることが重要である。例えば粗さは手の動きの速度に関わらず同じように知覚されることが知られており、この速度に対する粗さの恒常性がどのようにして生じるのかについてはよく分かっていなかった。そもそも粗さ知覚の神経基盤はある程度調べられているものの、触覚の速度知覚に関する神経基盤は、これまで安静条件に対する比較として調べられてきたため、詳しいことがわかっていなかった。この点に取り組むためfMRIによる実験を行い、①二次体性感覚野が速度に相関した活動を示すこと②触覚の速度知覚は動く物体のテクスチャによって変わること ③さらにテクスチャ処理に関わる部位である一次体性感覚野が、速度に関する二次体性感覚野に機能的結合を通じて影響を与えること、を発見した。これらの結果は触覚による速度知覚を理解するための知見を提供する。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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