2017 Fiscal Year Annual Research Report
Refugee Women's Status from Legal, Social and Labor perspectives
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of social/human sciences based on rerational studies: in order to overcome contemporary global crisis |
Project/Area Number |
17H05117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻上 奈美江 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任准教授 (30584031)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 難民 / ジェンダー / 中東 / 移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間開始時より、関連文献・資料の収集およびそれらの読み込みを行い、また継続している。 2017年8月には、ノルウェーのオスロおよびヒューダルにおいて、主に難民女性を対象に現地調査を行った。現地調査では、パレスチナ、シリア、イラク、アフガニスタンから難民としてノルウェーに移動してきた女性を対象に、移動までの経済・社会状況、移動の経験、そして移動後の法的・社会的地位について聞き取り調査を行った。 2017年9月には富山市でアウトリーチ活動を行い、2018年1月にはシンガポール国立大学で開催された国際会議にて現地調査に基づく研究発表を行った。なお、国際会議については出席がかなわなかったため、代読にて発表した。 2018年3月には、レバノンのノルウェー大使館で難民受け入れ審査および支援に携わった経験を有する、オスロ大学博士課程Laila Makboul氏を、研究者の勤務先である東京大学に招聘し、Syrian Refugees and the Initial Procedures for Family Reunification in Norwayと題する研究会を行った(3月15日、於:東京大学駒場キャンパス)。この研究会を通じて、ノルウェー政府の難民受け入れ、家族との統合政策について、実務的な理解を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、中東からヨーロッパに移動した移民・難民女性を対象に、彼女らの移動の経験や移動後の法的・社会的地位について調査研究を行うものである。8月の現地調査では、協力者の協力を得て、難民キャンプに滞在し、複数の女性やその家族の意見を聴取することができた。今後は、すでに獲得したインフォーマントへの調査の継続と、インフォーマントの増加を行う必要がある。これらに基づく研究成果の一部は、すでにアウトリーチ活動や国際会議(国際会議については代読)で公表することができた。また、ノルウェー政府での難民審査・支援経験を有する有識者を日本に招聘し、ノルウェーにおける難民の受け入れについて学術的かつ経験に基づく貴重な情報を入手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成30年度は、引き続き現地調査を通じてデータ収集に努めるとともに、研究成果の公表に力を入れる。英語論文の執筆・公表を通じて、最終的な研究成果とする予定である。
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