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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Cooptation and fragmentation of social movment: a comparative study of indigenous organizations in South America

Publicly Offered Research

Project AreaEstablishing a new paradigm of social/human sciences based on rerational studies: in order to overcome contemporary global crisis
Project/Area Number 17H05118
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

宮地 隆廣  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580745)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywordsラテンアメリカ / 先住民 / トランスナショナルネットワーク / 社会運動
Outline of Annual Research Achievements

社会運動組織と国家の関係に関する理論的整理と、具体的な事例研究であるラテンアメリカの先住民国際組織についての現地調査を行った。これまでの研究成果は著書(分担執筆)1点と口頭発表1点で公開された。
理論的整理については、グローバル化に伴う社会運動と政府の関係について、Sidney Tarrowらが指摘するプロテスト・サイクル論と、Kathryn Sikkinkが提唱する動的まるチリレベルガバナンス (multiple multilevel governance) 論が主なポイントとなる。前者は、社会運動は基本的に政府に対して無力で、要求の実現はその一部が政府によって受容されるものにすぎないことを唱える。この枠組みはグローバルな社会運動の展開を視野に入れていないが、後者は国内で無力な社会運動が国外からの支援によって要求実現が可能な領域を獲得することを評価するものである。
グローバルな領域に運動のネットワークが広がることの意義を考える事例として、「ラテンアメリカ・カリブ先住民基金」の事例研究を進めた。これは、国連などの支援を受けて、ラテンアメリカ諸国の政府が設立した国際組織であり、最高決定機関である総会は政府代表と先住民代表が同数参加する。この組織の活動記録はウェブ上で公開されており、先住民の生活改善支援、先住民文化を尊重する教育制度の推進、そして先住民にまつわる紛争への介入という3つの役割がある。その内実については文書だけでは不明な点が多いため、ボリビアとエクアドルの2国で組織に参加した経験のある者に聞き取り調査を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

情報へのアクセスが十分に確保されており、研究は予定通りに進んでいる。
まず、理論的な研究は既に研究のレビューが十分蓄積されている。近年、従来の見方をドラスティックに見直すような動きはなく、先行研究のフォローは容易である。
事例研究である「ラテンアメリカ・カリブ先住民基金」についても、総会や運営委員会の決議文書や一部議事録が公開されており、組織の最終的な決定についてはフォローしやすい。また、インタビューの対象となる人々へのコンタクトも予想以上にスムーズに進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

「ラテンアメリカ・カリブ先住民基金」の活動については、これまで調査をした2国では評価が低かった。この低評価には2つの解釈ができる。第一に基金の活動が本当に低調であることが原因であるというもの、もう一つは調査した国に特別な事情があり、低調になったというものである。調査をしたエクアドルとボリビアという2国はいずれも先住民組織が政治的な力を強く持っており、国際組織の介入を特に必要としなかった可能性がある。そこで今後は、先住民組織が弱い国にターゲットを絞る。これまでの文書調査も踏まえ、グアテマラ、ニカラグア、コスタリカ、コロンビアが候補となるターゲットである。
また、同組織の設立・運営にあたっては、当初スペイン政府の働きかけが非常に強いことがわかった。これに伴い、機会を見てスペインでの資料調査及び関係者へのインタビューも進める。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018 2017

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] トランスナショナルな社会運動の隘路:ラテンアメリ先住民運動を事例に2018

    • Author(s)
      宮地隆廣
    • Organizer
      「グローバル関係学」若手研究者報告会
  • [Book] ラテンアメリカはどこへ行く2017

    • Author(s)
      後藤 政子、山崎 圭一
    • Total Pages
      360
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623080182

URL: 

Published: 2018-12-17  

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