2017 Fiscal Year Annual Research Report
Transnational Epistemic Communities and the Rebuidling of Mutual Perception in International Relations
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of social/human sciences based on rerational studies: in order to overcome contemporary global crisis |
Project/Area Number |
17H05119
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
張 雲 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (70447613)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際エピステミック・コミュニティ / 知識共同体 / 相互認知再形成 / 外交政策 / 日中関係 / 日米関係 / 米中関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の29年度には、「知識共同体」と政策協調、そして国際関係における相互認知理論についての豊富な既存の研究をレビューし、国際エピステミック・コミュニティ(Transnational Epistemic Communities、知識共同体)と外交政策における相互認知再形成との関連性の分析枠組みを構築した。 実証研究としては、2000年以来米中関係の2つの重要な転換期の事例研究を行った。2003-2005年と2010-2012年における米中国際知識共同体により、それぞれ国内の相手国への認知の混乱を終息させ、共同知的作業の成果によってそれぞれ新しい権威的な相互認知であった「responsible stakeholder」と「新型大国関係」が形成され、関係が進化したことを中国側の重要関係者への調査、資料分析を実施した。また、日中関係において、2003-2005年、中国の知識界が提唱した「対日新思考」が日中の知識共同体の形成できず、影響力のある国際協力知的成果も発表がなく、相互関係の悪化に繋がったことの事例研究を行った。 本研究の中間成果を積極的新学術領域研究『グローバル関係学』の報告会で発表を行い、重要なフィードバックをもらった。本研究の中間成果に関連する学術論文を投稿した。代表者は北京大学、復旦大学、外交学院など中国の国際関係理論、日中関係、中米関係専門家を招聘し、新潟大学で日本の専門家とともに知識共同体に関する国際ワークショップを開催した。また、代表者は中国(北京大学、中国人民大学、復旦大学、北京外国語大学、社会科学院、蘭州大学、厦門大学)、日本(国際政治学会、アジア政経学会、カーネギー国際平和財団と一橋大学共催の国際会議)、シンガポール国立大学、南洋理工大学、ミャンマー戦略国際問題研究所などでも積極的に研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連する文献研究を体系的に行い、国際知識共同体と外交政策における相互認知再形成との関連性の分析枠組みを構築した。日中米関係における認知・誤認知の関連資料の翻訳、収集、そして事例研究の調査なども概ね順調に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度には、引き続き日中米関係における認知の再構築の事例研究を進める。特に、2003-05年の米中関係における相互認知再構築の成功、日中友好21世紀委員会の日中関係における相互認知の再構築の挫折の比較研究を行う、 さらに、昨年度の研究で日中米関係以外の事例も本研究の理論発展に大きく寄与できることが分かり、それに基に、ミャンマーの政治移行におけるアセアンの役割と認知の再構成、イラン核合意交渉プロセスにおける認知の再構成、北朝鮮核問題をめぐる六者協議の相互認知の再形成などの事例研究に取り込みたい。これによって、今回の研究は日中、米中関係のみならず、グローバル課題の解決に向け国際知的共同体と政策との関連性への理解を深めることができる。 研究成果を日中米三カ国のみならず、東南アジア、中東などで発表する予定である。全体の論文を国際誌に投稿する予定である。
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Research Products
(16 results)