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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Study of the upper paleolithic cultural formation in Kazkhstan

Publicly Offered Research

Project AreaCultural history of PaleoAsia -Integrative research on the formative processes of modern human cultures in Asia
Project/Area Number 17H05133
Research InstitutionNara National Research Institute for Cultural Properties

Principal Investigator

国武 貞克  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (50511721)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywordsカザフスタン / 後期旧石器時代遺跡 / 分布調査 / 試掘調査 / 新規発見遺跡 / 層位的な堆積 / 収蔵資料調査 / 文献調査
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、カザフスタン南部で、現地踏査と試掘調査を行い新しい旧石器時代遺跡を発見することを最大の目的とした。カザフスタン南部の天山山脈北麓の丘陵地帯と、カラタウ山地において、2017年8月から11月にかけて遺跡探索と試掘調査を行った。その結果、前期旧石器時代から中石器時代までの合計26遺跡を発見した。このうち、本研究においてとくに目的とした後期旧石器時代遺跡は、天山山脈北麓で3遺跡、カラタウ山地において12遺跡の合計15遺跡を新たに発見することができた。
このなかで、特質すべき成果としては天山山脈北麓西部のレス堆積層中に包含されるクズルアウス2遺跡を発見したこと、カラタウ山地において石刃製作地点とみられる大規模なクズルアウト遺跡群を発見したこと、そして同じくカラタウ山地において、カザフスタンでは希少な石器包含層が層位的に良好に堆積するビリョック・バスタウ・ブラック1遺跡を発見したことの3点が挙げられる。
これらの3遺跡は、カザフスタンでは稀な後期旧石器時代の一括性の高い資料を獲得できる可能性が高い遺跡である。また、ビリョック・バスタウ・ブラック1遺跡では、動物骨角も良好に遺存しており、カザフスタンでは未発見の現代人的行動を評価することが出来る資料も期待される。来年度にこれら新発見の遺跡において、詳細な発掘調査を実施する予定である。
野外調査のほかに、文献資料調査としてカザフスタンの旧石器関係論文や報告書を、現地の大学や研究所において121点入手し電子化した。またアル-ファラビ記念カザフ国立大学に収蔵されているこれまでの旧石器資料の調査を行い、中期後半から後期前半と推定される9遺跡を選んで調査し、全点の写真撮影および116点の実測図の作成を行った。
成果公表については学会発表を行った。またカザフスタンにて記者発表して成果を一般公開し、カザフスタン及び日本の新聞で紹介された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

中央アジアにおける後期旧石器文化の成立を解明するために、これまで空白域であったカザフスタンにおいて、新規に後期旧石器時代遺跡を発見して発掘調査を行い、新たな資料を獲得することを最大の目的としている。そのため今年度の研究計画においては、まずは新規に遺跡を発見することを目標にかかげていた。野外調査の結果、合計26遺跡を新規に発見するとともに、来年度以降に発掘調査を実施する候補となる後期旧石器時代遺跡を15遺跡も発見することが出来た。これは当初の研究計画で想定していた以上の成果であった。
さらに今年度の研究計画においては遺跡探索のための分布調査が中心としていたが、実際には、堆積環境が良好な遺跡を選んで、試掘調査を行うことも出来た。このため、後期旧石器時代遺跡で層位的な堆積のある遺跡を3箇所特定することが出来た。これは、当初の計画では、2年目に想定していた目標であった。そのため、来年度には、すでに層位的に堆積が良好な遺跡を発掘調査することが可能となるため、研究課題の達成のために、非常に大きな進展であったといえる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、今年度発見した堆積が良好なカラタウ山地のビリョック・バスタウ・ブラック1遺跡と、天山山脈北麓のレス堆積層中に包含されるクズルアウス2遺跡の本格的な発掘調査を開始する。
また、カラタウ山地でカザフスタンを代表する多層遺跡であるチョーカン・バリハノフ遺跡は、これまで中期旧石器時代とされてきたが、その最下層の文化層のOSL年代がチュービンゲン大学(ドイツ)の分析によって、39.5±3.8KAと後期旧石器時代初頭の年代であることが明らかにされた。このため、この遺跡の最下層の文化層が残されている地点において発掘調査を行う予定である。
来年度は、最終年度であるため、これらの遺跡の発掘調査成果を取りまとめるとともに、カザフ大における収蔵資料調査によって得られた知見と合わせて、カザフスタンにおける後期旧石器文化の地域区分と編年試案を作成する予定である。これをもとにして、ロシアアルタイ地域やウズベキスタンとの比較のもとに、中央アジア中央部における後期旧石器文化の成立過程を論じる。そしてこれらの成果を報告書にとりまとめて刊行する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2018 2017 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Int'l Joint Research] カザフスタン共和国国立博物館/アル-ファラビ記念カザフ国立大学(カザフスタン)

    • Country Name
      KAZAKHSTAN
    • Counterpart Institution
      カザフスタン共和国国立博物館/アル-ファラビ記念カザフ国立大学
  • [Journal Article] カザフスタン南部における後期旧石器時代遺跡の調査2018

    • Author(s)
      国武貞克
    • Journal Title

      アジアにおけるホモ・サピエンス定着プロセスの地理的編年的枠組み構築

      Volume: 2 Pages: 44-51

  • [Journal Article] カザフスタン南部カラタウ山地における後期旧石器時代遺跡の調査2018

    • Author(s)
      国武貞克
    • Journal Title

      第19回北アジア調査研究報告会

      Volume: 19 Pages: 1-4

    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] カザフスタン後期旧石器時代研究の現状と課題2017

    • Author(s)
      国武貞克
    • Organizer
      日本旧石器学会
  • [Presentation] カザフスタンにおける後期旧石器文化形成プロセスの研究2017

    • Author(s)
      国武貞克
    • Organizer
      第3回パレオアジア研究大会
  • [Presentation] カザフスタン南部における後期旧石器時代遺跡の踏査2017

    • Author(s)
      国武貞克
    • Organizer
      第4回パレオアジア研究大会

URL: 

Published: 2018-12-17   Modified: 2022-05-18  

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