2018 Fiscal Year Annual Research Report
Developement of new devices by stochastic resonance in pi-system figuration combined with hydrogen dynamics
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
17H05138
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 顕一郎 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (00634982)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プロトン / 量子スピン液体 / 量子常誘電 / 水素結合 / モット絶縁体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水素ダイナミクスと結合したπ電子系の電荷ダイナミクスをノイズ測定や誘電応答測定から検出することを目的として研究を行った。その過程で、二次元三角格子構造を有する分子性モット絶縁体κ-H3(Cat-EDT-TTF)2において、有機分子上のπ電子が、有機分子間に存在する水素結合中のプロトン自由度と連動することで実現する新奇な量子スピン液体状態を見い出すことに成功した。具体的には、κ-H3(Cat-EDT-TTF)2に対して、誘電率測定および熱伝導率測定を極低温まで行い、この物質において、量子常誘電性と量子常磁性が共存した新しい量子液体状態が実現していることを明らかにした。本研究により見出されたプロトン自由度による量子スピン液体状態は、電荷や軌道といった電子自由度とも、乱れによる構造自由度とも異なる、いわば第三の自由度に基づく量子スピン液体状態である。これは新しい量子液体の発現機構として興味深く、その背後には、物質中で最も軽量なイオンであるプロトンの顕著な量子性およびプロトン-π電子間に働く相互作用が重要な役割を果たしていることが実験・理論の両面からの相補的なアプローチによって明らかとなった。実際にごく最近、量子スピン液体を安定化させる機構として、プロトンの量子揺らぎの重要性を指摘した結果が異なる物質系においても報告されており、本研究成果は、プロトン揺らぎによる量子スピン液体状態の実現に対して、新たな設計指針を与える可能性を秘めている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] 水素結合型モット絶縁体Cat-EDT系における量子常誘電・常磁性状態2019
Author(s)
藤井桜子, 下澤雅明, 近藤潤, 杉井かおり, 山下穣, 上田顕, 森初果, 杉浦栞理, , 寺嶋太一, 宇治進也, 橋本顕一郎, 井口敏, 佐々木孝彦
Organizer
日本物理学会第74回年次大会
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[Presentation] Crystallization and vitrification of strongly correlated electrons on a geometrically frustrated triangular lattice2018
Author(s)
Kenichiro Hashimoto , Satoru Sasaki , Ryota Kobayashi , Keisuke Itoh , Satoshi Iguchi , Yutaka Nishio , Yuka Ikemoto , Taro Moriwaki , Naoki Yoneyama , Masashi Watanabe , Akira Ueda , Hatsumi Mori , Kensuke Kobayashi , Reiji Kumai , Youichi Murakami , Jens Mueller , Takahiko Sasaki
Organizer
APS March Meeting 2018
Int'l Joint Research
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